日大三・小倉全由監督が勇退 帝京との練習試合で最後のユニホーム姿 前田三夫氏駆け付け、ねぎらい

[ 2023年3月31日 16:19 ]

帝京の前田三夫前監督(左)と握手を交わす日大三の小倉全由監督
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 01年夏、11年夏の2度の優勝など甲子園通算37勝(関東第一での監督時代も含む)を挙げた日大三・小倉全由(まさよし)監督(65)が31日、同校で行われた帝京との練習試合にベンチ入りし、最後のユニホーム姿で試合を見届けた。

 同校で26年間、監督・部長としてタッグを組んだ三木有造・新監督が指揮し、小倉監督は横で戦況を見ながらナインに助言した。試合は3-3で引き分けた。

 小倉監督は先月、定年のため3月末での退任を発表していた。

 帝京は、関東第一時代に同じ東東京のライバルとしてしのぎを削った相手。西東京の日大三監督に就任後も長く交流が続いている。この日は帝京で甲子園通算51勝を誇る前田三夫・前監督も駆け付け、試合後には両校で勇退セレモニー。前田氏からは記念品を、日大三の教え子からプレゼントと寄せ書きを贈られた。

 小倉監督は「関東一高の時は(帝京が)本当に強くて、いくらやっても勝てなくて…前田さんの帝京高校を目標にしていた。夏の大会は全部コールドで勝たれてる、手も足も出ないような強いチームを作られて。それが目標で。初めて勝たせてもらった時はあんなに泣いたことないと思うくらいうれしかったし、その後もずっと目標にしていた。三高に来てからは練習試合をやらせてもらって。関東一高時代に前田さんを追っかけていたのとはまた変わって、教えていただいた。頑張れって声かけていただいて、本当に温かい指導をいただいた」としみじみ。「良い星に生まれたなと。今日も最終戦を帝京さんとやらせていただいて、神宮第2球場でも勝ってなかったらあそこで対戦することはなかった。前田さんに教わって、神宮第2で最後のゲームをやらせていただいて、また今日こうやって来ていただいてうれしい」と19年11月、神宮第2球場解体前最後の試合となった秋季高校野球東京都大会準々決勝での対戦を振り返り、「幸せだなと思います。ありがとうございました」と感謝した。

 金田優哉監督が指揮する帝京との一戦をスーツ姿でネット裏から試合を見守った前田氏は「小倉さんにとってみれば大事な日。私ごときが出る幕じゃないなと思ってたんですけど、先日小倉さんと会った時にぜひということで来ました」とし、「長い間頑張って、宿敵としてやってきた。彼は非常に生徒思いでもあるし、熱血漢。それが小倉野球の基本だと思う。私がチームを作ると小倉さんもチームを作ってるし、ある時は小倉さんがチームできたと思うと帝京もチームができていたと。そういう意味で私は50年、彼がいたからこそできた。本当に感謝しています。本当にご苦労様という思いで来ました」とねぎらった。

 また、この日は卒業生や父母ら多くの人が駆けつけ、小倉監督がスタンドに向かって「ありがとうございました。これからは三木をよろしくお願いいたします」と深々と頭を下げると大きな拍手が沸いた。選手らにも激励の声をかけ、見送られながらグラウンドに別れを告げた。

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