“史上初”開幕投手のオリ・舜平大 指揮官からの通達は“何日後な”「計算したら開幕だった」

[ 2023年3月31日 05:02 ]

取材に応じるオリックス・山下 (撮影・白鳥 佳樹)
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 オリックスの高卒3年目・山下舜平大投手(20)が31日の西武戦(ベルーナドーム)で開幕投手を務めることが30日、発表された。1軍初出場初登板となる投手の抜てきは球団では阪急時代の54年梶本隆夫以来69年ぶりで、2年目以降の投手では50年の2リーグ制以降、プロ野球初となった。敵地で最終調整を行った右腕は「勝つことしか考えていない」と必勝を誓った。

 史上初の大抜てきにも、山下は平然としていた。報道陣に囲まれた最速158キロ右腕は落ち着いた口調で意気込みを語った。

 「あまり緊張もしていなくて、開幕という特別感もあまり持っていない。特別感はないけど、勝ちたいです」

 中嶋監督から伝えられた時期は「秘密にしろと言われて」と明かさず。「“何日後な”と言われて、自分で計算したら開幕だったので“わっ開幕か”という感じ」と笑った。

 中嶋監督はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)帰りの山本や実績ある山岡らを起用する選択肢もある中で、「早くから決めていた」と明かした。登板こそなかったが、昨秋のポストシーズンでベンチ入りさせたのも、この布石だったのかもしれない。オープン戦3度の先発はすべて金曜日。昨年11月の両足首の手術から復帰した山下も好投で応えた。最終的にはWBC組の調整も考慮した上で決断を下した。

 「見極めのタイミング。慎重にいかなきゃいけない部分がかなりあった。ゴーサインが出るまで待っていた。WBCの選手がもしかしたら登板機会があるのかもしれない。いろんなことを考えた」

 初登板と開幕投手が重なったことについては「開幕戦でもちろん緊張するでしょうし初登板も緊張すると思うけど、いっぺんにやっちゃった方がいいかな、と」と話した。

 この日はキャッチボールなどで調整した山下。チームにとってはリーグ3連覇、日本一連覇への船出となるだけに「自分のやってきたことを出すだけ。変わらず勝ちにこだわって。勝つことしか考えていないです」と必勝を誓った。エース山本からも「勝てよな」とエールを送られた。

 無限の可能性を秘めた次世代のエース候補・舜平大の伝説が、いよいよ幕を開ける。 (中澤 智晴)

 ◇山下 舜平大(やました・しゅんぺいた)2002年(平14)7月16日生まれ、福岡県出身の20歳。福岡大大濠(福岡)では1年秋からベンチ入りし、3年夏は福岡県代替大会の地区準優勝。20年ドラフト1位でオリックス入団。1軍登板はなく、2軍通算26試合4勝11敗、防御率4.72。1メートル90、98キロ。右投げ右打ち。

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2023年3月31日のニュース