斎藤佑樹氏 楽天・マー君の頑張っている姿が刺激に…悔いのない野球人生を送ってほしい

[ 2023年3月31日 06:00 ]

パ・リーグ   日本ハム1ー3楽天 ( 2023年3月30日    エスコンF )

エスコンフィールド北海道を訪れた斎藤佑樹氏
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 歴史的な第一歩を踏み出した日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」。OBの斎藤佑樹氏(34)が球場を訪れ、21年限りで現役を引退するまで所属していた古巣への思い、同僚だった選手たち、そして高校時代のライバルで、記念すべき新球場初白星を挙げた楽天・田中将大投手(34)への思いなどを語った。

 新球場の歴史が始まる、大事な試合。その瞬間に立ち会えたこと、本当に感慨深いです。やっぱり、野球場は声出し応援があってこそ。いいタイミングで開場になったとも思います。

 振り返れば新球場の構想があることが報じられたのは2016年。自分は故障に苦しんでいましたが、どれだけ勇気づけられたか分かりません。“この球場ができるまで現役を続け、マウンドで投げたい”と。球団の方が僕たち選手に「世界に誇れる球場を造りたい」と熱く説明していた姿を、今でもハッキリと思い出せます。この球場で投げるという目標は(21年限りで現役を引退して)かなわなかったけど、こうして今も野球界に携わり、歴史的な試合にも携わることができた。本当に幸せです。

 球場が完成に近づいた時、ある球団職員の方が言っていた言葉が心に残っています。「これまで(昨年までの札幌ドーム)は借りていたものだったけど、これからは全てが自分たちの責任になる。凄くプレッシャーを感じるけど、やりがいも感じる」と。この言葉を聞いて、“選手だけの球場ではないんだ”と感じましたし、多くの方々の思いが詰まっている球場であることも実感できました。

 古巣の日本ハムのことは、いつも気にしています。新球場の初戦を白星では飾れず残念でしたが、今日はマー君(楽天・田中将)が頑張っていましたね。30代の半ばになって同学年の選手は減ってきましたが、今でも開幕投手として投げられるのは凄いことだと思います。どんな立場になっても、同学年の選手たちが頑張っている姿は刺激になります。一人でも多く、一年でも長く、ユニホームを着て、悔いのない野球人生を送ってほしい。自分がユニホームを脱いだ今、心の底からそう思います。

 日本ハムには軽々しく“優勝してほしい”とは言えません。長いシーズン、いいことばかりではなく、不振、ケガなど、うまくいかないこともあるでしょう。でも、今回のWBCで自分にとっても恩師である栗山監督が侍ジャパンを世界の頂点に導いたように、やはり勝ってこそ、得られるもの、達成感などもあると思います。世界に誇れる、この素晴らしい球場で、ファンの皆さまと一緒に、白星を積み重ねていってほしいです。(元北海道日本ハムファイターズ投手)

 ▽田中将と斎藤佑樹氏の交流 06年夏の甲子園決勝で延長15回引き分け再試合の末に斎藤氏の早実が田中将の駒大苫小牧を下し優勝。最後は田中将を空振り三振に斬った。同年の日米親善野球ではともに日本代表に選ばれ、和泉監督の「打ち解けるためにニックネームで呼び合え」という指令を受け「佑ちゃん」、「マー君」と呼び合った。プロ初対戦は11年9月10日(Kスタ宮城)。早大を経てプロ1年目だった斎藤氏は8回を4失点と粘るも、田中将は12三振を奪うなど1失点で完投。その後も2度対戦し、いずれも田中将が投げ勝った。

 ◇斎藤 佑樹(さいとう・ゆうき)1988年(昭63)6月6日生まれ、群馬県太田市出身の34歳。早実では3年春の甲子園で8強、夏は駒大苫小牧との決勝引き分け再試合の末に全国制覇。早大では第100代主将も務めリーグ戦通算31勝。10年ドラフト1位で日本ハム入団。21年限りで現役引退。通算成績は89試合で15勝26敗、防御率4.34。右投げ右打ち。現在は「株式会社斎藤佑樹」の代表取締役も務め、多方面で活躍。

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