偉業達成の大谷翔平 今後の二刀流どうなる 米では“救援転向説”多いが…

[ 2022年8月10日 14:08 ]

ア・リーグ   エンゼルス5ー1アスレチックス ( 2022年8月9日    オークランド )

<アスレチックス・エンゼルス>力投する大谷(撮影・大森 寛明)
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 大谷が1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶりに「2桁勝利&2桁本塁打」を達成した。気になるのは、今後の二刀流の行方だ。

 米国では、大谷は30代以降も二刀流を続ける場合、投げる方はリリーフに転向すると予測する人が多い。しかし、ここ2年の著しい進化を見ると、35歳くらいまでは先発を続けられるのではと期待する。近年は高感度カメラと詳細なデータで投球の物理的な分析が深まり、大谷も駆使して進化を遂げたからだ。

 カブスのトミー・ホットビー投手コーチは「今はデータを基に軌道や回転軸を科学的に微調整できる。これまで投手は感覚に頼るしかなかったが、今は感覚+科学で自身の球種をデザインできる」と証言。米1年目の18年、大谷は全投球の46・4%が直球で、一番の武器は被打率・036で空振り率56・4%のスプリットだった。今季は前回登板までの時点(以下同)でスプリットが52・5%、スライダーは44・5%、カーブは39・3%。3つの異なる球種で、これだけ空振りを取れる先発投手は極めてまれだ。スプリットの高水準をキープしつつ、他の球種とうまく使い分けている。

 今季は直球の割合は18年の46・4%から今季は33・7%に減ったものの、平均球速は97・3マイル(約157キロ)と5年目で最も速い。被打率も18年の・382から今季は・268に改善。デビュー当初「直球は速いが打たれやすい」などと言われてきたが、明らかに質が上がっている。

 今季はサイ・ヤング賞候補の一人にも挙がる。リリーフに転向させるのをためらわせる、投球の幅の広さ。年齢を重ねることで体力面の懸念はあるものの、投球の進化は底を見せていない。(奥田秀樹通信員)

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