【甲子園】甲子園で珍しいキレキレ「パンチアウト」 旭川大高・池田がけん制で大阪桐蔭・谷口を刺す

[ 2022年8月10日 11:16 ]

第104回全国高校野球選手権大会・1回戦   旭川大高3ー6大阪桐蔭 ( 2022年8月10日    甲子園 )

<大阪桐蔭・旭川大高>1回1死一塁、牽制死した大阪桐蔭・谷口(左)が肩を落とす(右は旭川大高・鶴羽)(撮影・岸 良祐)
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 旭川大高と大阪桐蔭が熱戦を演じた第1試合で珍しいシーンがあった。旭川大高が1点を先制して迎えた初回の守備。1死から大阪桐蔭の2番・谷口が四球を選び、強打者の3番・松尾を迎えた。そこで旭川大高の右腕・池田は素早いけん制で一塁走者をアウトにした。

 観客が「どっちだ!」と息をのむ際甲子園で珍しいキレキレ「パンチアウト」 旭川大高・池田がけん制で大阪桐蔭・谷口を刺すどい判定シーン。審判員には説得力を持ったジャッジが求められる。NPB審判員は際どいアウトの場合、「パンチアウト」という腕を振る動作で「ヒー・イズ・アウト!」と激しくコールする。11年から16年までNPB審判を務めた私も何千回と腕を振った。

 一方で「基本に忠実」を目指す高校野球では同じような場面でも、審判員は右手を握って挙げる基本動作で「アウト」を宣告する。知人の高校野球審判員によると「パンチアウトが許される大学野球や社会人野球のカテゴリーで審判を兼任し、ついつい高校野球でも自然に出てしまう」などの場合以外はほとんど見られないという。

 だが、冒頭の場面で一塁塁審の高橋審判員はキレキレの「パンチアウト」を繰り出した。スタンドの観客がどよめいた見事なけん制にマッチしたナイスジャッジだったと私は思う。選手同様に甲子園に選出される審判員は精鋭ばかり。「ついつい」ではなくても究極の場面では「パンチアウト」を見せてほしい。(柳内 遼平)

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