阪神・木浪&陽川「代役コンビ」そろってタイムリー 大山に続き中野がコロナ離脱も敗戦の中キラリ存在感

[ 2022年8月10日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2―3DeNA ( 2022年8月9日    横浜 )

<D・神>2回2死二塁、木浪は中前適時打(撮影・小海途 良幹)
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 阪神は9日、DeNA戦で今季9度目のサヨナラ負けを喫した。主力では大山に続いてこの日、中野も新型コロナウイルス陽性判定で抹消。不動の1番を欠いた戦いを強いられたが、代役として「8番・遊撃」で先発した木浪聖也内野手(28)が今季初適時打を含む2安打1打点と躍動。また大山の代役として「6番・左翼」で起用された陽川尚将内野手(31)も先制打を放ち、存在感を示した。首位・ヤクルトも敗れ、8・5差は変わらず。窮地は全員で乗り越えるしかない。

 レギュラーでは5日の大山に続いて、この日、不動の「1番・遊撃」で全試合出場を続けていた中野の新型コロナウイルス陽性が判明。主力2人を欠いた戦いを強いられた中で、「代役コンビ」が躍動した。

 「回ってきたチャンスだったので。この試合にすごく懸けていた。今永さんというのをイメージして、それがその通りできたかなと思います」

 中野の代役は、燃えていた。2回だ。1点を先制してなおも2死二塁。木浪はカウント2―2からの5球目、今永の外角低めカットボールに片手一本で食らいついた。打球は中前で跳ね、二走・陽川を本塁へ迎え入れた。今季20打席目で初適時打を放ち、貴重な2点目をたたき出し、充実感がにじんだ。1点優勢の5回1死無走者でも右前打を放ち今季2度目のマルチも記録。守備でも7回1死無走者で今永の三遊間へのゴロをダイビングキャッチなど攻守に存在感を示し「(試合に)出ろと言われたところで自分の仕事をするだけ」。求められる役割を忠実に果たした。

 大山の代役・陽川も負けじと気を吐いた。0―0の2回1死二塁。カウント1―2から内角カットボールを中前へ落とした。「嫌な追い込まれ方をしてしまっていたので、なんとか最低限ランナーを進めて、後ろのバッターにつなぐ気持ちでした」。執念が込められた貴重な先制打で今季初打点を記した。試合前時点で今季の対左腕は打率・417(12打数5安打)。その好相性ぶりも買われて先発起用された男が、期待に応えてみせた。

 終わってみれば、打線は今永の前に9回4安打2得点。2回以外は、得点圏に走者を進めることもできなかった。そして最後はサヨナラ負け。そんな見せ場が少ない試合だったからこそ、いっそう働きぶりは際立った。矢野監督もチームの苦境で見せた2人の奮闘に、大きくうなずいた。

 「チームも戦力的に苦しい中、(木浪)聖也もバットでも守備でも良いプレーをしていた。(陽川)尚将も一回、いいところで打った」。首位・ヤクルトも敗れ、8・5ゲーム差は変わらず。残り39試合。コロナ下の特異な状況では全員が戦力であり、主力。今こそ一丸野球で、一戦必勝を続けるのみだ。(石崎 祥平)

 ○…首位・ヤクルトと2位・阪神がともに敗れたため、両チームのゲーム差は8.5のまま変わらず。阪神の自力優勝の可能性復活は最短で11日になった。条件は阪神が10、11日とDeNAに2連勝の場合、ヤクルトが広島に2連敗か1敗1分け。阪神が1勝1分けの場合、ヤクルトの2連敗。復活すれば6月8日以来64日ぶり。

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