オリ鈴木優「勝負の年 どうせ、やるなら楽しんで」 輝き放つ“都立の星”

[ 2020年7月3日 09:30 ]

ウイニングボールを手に西村監督と笑顔を見せる鈴木優 
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 「6年かかりましたけど、やっと1勝できた。最初の1年目、2年目は本当に実力不足を痛感して、1年1年やることを決めて、1年1年成長できている実感があって。地道に、成長できたと言い切れるくらいです」

 1日の西武戦でプロ初勝利を挙げたオリックスの鈴木優投手(23)。試合後の代表取材で応えた、この言葉は重みがあった。雪谷から14年ドラフト9位で入団。都立高から直接プロ入りした投手で、勝利するのは史上初の快挙。着実に段階を踏んで、一歩ずつ成長してきた投手の1人だ。

 冒頭の「実力不足を痛感して、1年1年やることを決めて―」の1年目にあたるのが17年秋季練習。舞洲のブルペンで投球練習していた時のこと。鈴木と山崎福は、それぞれ軸足の膝にテーピングのようなものを装着していた。2人は「投球時に軸足の右膝が折れるクセがあったので、酒井コーチや小林コーチのススメで付けました」。聞けば、阪神の藤川球児が若手だった2軍時代に山口高志氏から助言された練習方法。“火の玉ストレート養成ギプス”だった。実際に、140キロ台中盤だった鈴木の直球は、常時150キロを計測するほど球速アップに成功。直後の高知・秋季キャンプでは、当時の福良監督から「強いボールを投げてるなあ」と高く評価されていたのを覚えている。プロの強打者と勝負できる球威を身に付け、同時並行で制球力の向上にも取り組んできた。

 球速と制球力を土台に、年を追うごとにスプリットなど球種も増やした。昨季習得したツーシームは大きな武器だ。チームの連敗を7で止め、節目の1勝を挙げた1日の西武戦では不規則に沈む「宝刀」で惑わせて計7奪三振。2打席連続で空振り三振に仕留めた山川が、打席で驚きの表情を浮かべるシーンも見られたほどだった。

 地道な努力で積み上げた技術に、メンタルもプラスした。昨冬に参加したプエルトリコでのウインターリーグの経験も成長の糧だ。

 「野球をやってきた中で、僕の中で大きかった。“野球を楽しむ”という考え方に変わりました。緊急登板した(6月26日のロッテ戦)なんか、去年までの僕だったらガチガチだったかもしれない。6年目。勝負の年ということも分かっている。どうせ、やるなら楽しんで、って思っています」。開幕戦9連敗、史上初の6タテ…。暗い話題が続いたオリックスに、「都立の星」が輝きを放っている。(記者コラム・湯澤 涼)

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