阪神・スアレスまで失点 自慢の救援陣“全滅” 攻めの継投も裏目

[ 2020年7月3日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2-4中日 ( 2020年7月2日    ナゴヤD )

<中・神(3)>8回1死満塁、井領(左)に右前適時打を浴びるスアレス(撮影・北條 貴史)
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 頼みの剛腕も、負の連鎖に巻き込まれた。8回に登板したスアレスが、今季初失点。セットアッパーを投入する劣勢での攻めの継投も裏目に出た。

 1点を追う8回。4番手でマウンドに上がるも、相手へ傾いていた流れを自力でたぐり寄せることはかなわなかった。先頭のビシエドに直球を右前に運ばれると、続く高橋にも2球目を捉えられ三塁線を破る二塁打で二、三塁。1死を奪って京田を申告敬遠で歩かせて満塁策を取ったものの、代打・井領には157キロの直球を右前にはじき返され、痛恨の1点を失った。

 開幕から10試合連続で2番手以降の投手が失点されるなど、精彩を欠くリリーフ陣の中で持てる力を存分に発揮。一時は先発ローテ争いにも加わるなどマルチな能力を誇示しながら、練習試合では160キロに迫る直球とツーシームで圧倒的なパフォーマンスを見せてエドワーズ、岩崎を差し置いて“8回の男”に座った。

 ここまで登板した3試合も計2回2/3を投げて許した安打は1本のみ。ただ、チームが開幕から黒星を重ねる中でなかなか出番はやってこなかった。6月27日のDeNA戦以来のマウンドだったこの日も1点を追う展開での起用。7回は岩崎を登板させるなど勝ちパターンの陣容をつぎ込んで、最終回の反撃につながる快投を期したが、逆に点差を広げられてしまった。

 “最後の砦(とりで)”も陥落した。これで開幕1軍に名を連ねたリリーフ投手がすべて崩壊。藤川、岩崎もすでにリリーフに失敗するなど、チームの強みだったブルペン陣の不調は気がかりでならない。

 近年、得意としてきた僅差で終盤に持ち込む展開をほとんど作れていない窮状。猛虎のストロングスタイルを取り戻すことが、浮上への条件であることは確かだ。 (遠藤 礼)

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