中日ドラ3・岡野 5回2失点でプロ初勝利 失意のドラフト指名漏れから見事はい上がった!

[ 2020年7月3日 05:30 ]

セ・リーグ   中日4-2阪神 ( 2020年7月2日    ナゴヤD )

<中・神(3)>プロ初勝利を挙げた岡野はウイニングボールを手に与田監督(右)とひじタッチ(撮影・椎名 航)
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 魂はマウンドに残していた。5回2失点。先発の責任を果たして降板した後も、中日・岡野はベンチ最前列で声を枯らして戦い続けた。「ドキドキして見ていました」。4投手が無失点リレーを完成させ、訪れたプロ初勝利の瞬間。両手を叩き、仲間を迎える顔は、もう一人前のプロだった。

 「ホッとしました。球が荒れて苦しい投球だったけど、何とか粘れました」

 かわす投球で自滅したプロ初登板(6月25日、DeNA戦)が教訓だった。初回いきなり2死満塁のピンチ。真っすぐ主体の配球を変え、スライダーを2球続けて、梅野を二ゴロに仕留めた。「(昨日まで好投した)柳、山本から“阪神打線は小さい変化より、大きい変化が効果的”と聞いていたので」。ドラフト3位は、26歳のオールドルーキー。投球術は並の投手よりたけている。曲がりの大きいスライダーが生命線。5回2死二、三塁も、その決め球でマルテを遊ゴロに抑えた。

 試合後、手渡されたウイニングボール。夢にまで見たシーンの原点は悔しさにある。社会人東芝2年目の時、右腕はドラフト指名に漏れた。「失意」の一年で、ペアを組み、生活を共にしたのが7歳年上の松永隆太外野手だった。ベテランから学んだのは野球に取り組む姿勢。誰よりも身体のケアに時間を割く背中を見て、プロに再挑戦する意欲をかき立てた。

 「うれしいけど、また次がある。先発陣に割って入っていけるように頑張ります」

 今季初の3連勝を締めくくり、岡野のトーンが上がった。チームは勝率5割。入魂の投球が間違いなく勢いをつけた。 (堀田 和昭)

 ◆岡野 祐一郎(おかの・ゆういちろう)1994年(平6)4月16日生まれ、宮城県石巻市出身の26歳。小3から野球を始め、聖光学院では3年時に春夏連続で甲子園出場し、高校日本代表に選出された。青学大では2年春からエース。東芝1年目の17年の都市対抗で優秀選手賞に輝いた。19年ドラフト3位で中日に入団。1メートル80、85キロ。右投げ右打ち。

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