【市川いずみの届け夏エール】智弁和歌山・黒川主将に“野球の神様”はついている

[ 2019年8月18日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権大会11日目 3回戦   智弁和歌山1-4星稜 ( 2019年8月17日    甲子園 )

激闘の末、星稜に敗れ、涙を流す智弁和歌山・黒川(撮影・平嶋 理子)
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 1年前。彼は甲子園の一塁上で打撃防具を先輩に投げつけていました。左手首を骨折した近江戦での最終打席。智弁和歌山・黒川史陽君は感情をぶつけていました。母・枝里子さんが「自分本位でわがまま」と話す3兄弟の次男を変えたのは主将という立場です。“日本一”を掲げたチームを引っ張るためマネジメントの本からリーダーの資質も学びました。今春選抜では明石商戦でサヨナラ弾を浴びた小林君に寄り添い、人のために動く人間に成長しました。

 “野球の神様”をずっと信じてきました。13日の明徳義塾戦で同点適時打を放った際も「神様が勝たせたいと思ってくれた」と塁上で手を合わせました。努力すればほほ笑んでくれる――。最後の夏は1安打で終わっても「打てなくてもできることはある」と全力疾走は忘れませんでした。

 もちろん、本音は「悔しい」。努力はボロボロの手のひらが物語ります。背中で引っ張ってきた主将の頬には我慢していた涙。頂点には立てませんでしたが、「たくさん、けんかしたけど、最高の仲間ができた」。人の痛みが分かるようになった史陽君に野球の神様はいつかほほ笑んでくれるはずです。

 ◆市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。高校野球検定に合格し、自宅に甲子園の土を飾るほど生粋の高校野球好き。

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