「163キロ効果」大船渡・佐々木 練習試合にMLB10球団熱視線

[ 2019年4月21日 05:30 ]

練習試合   大船渡4―8仙台育英 ( 2019年4月20日    仙台育英 )

大船渡・佐々木  
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 高校歴代最速の163キロを誇る今秋ドラフト1位候補、大船渡(岩手)の佐々木朗希投手(3年)が20日、仙台市内で仙台育英との練習試合に先発し、3回2/3を3安打2失点で5三振を奪った。変化球主体の投球で最速も150キロにとどまったが、「163キロ効果」でメジャー10球団が集結。日米合わせて20球団40人のスカウトが視察し「令和の怪物」と呼ばれる佐々木フィーバーが過熱している。

 驚異の163キロを計測してから14日。「令和の怪物」こと佐々木の噂は、海を渡って米国まで広まっていた。国内10球団27人に加えて、メジャーから10球団13人のスカウトが集結。報道陣約60人も加わって、寒空の仙台は大騒ぎとなった。

 「(エンゼルスの)大谷や(マリナーズの)菊池のときに(スカウト陣の盛り上がりの様子が)匹敵する」とフィリーズの大慈弥功環太平洋担当部長。試合開始1時間前の午前11時30分には球団関係者用に用意されたネット裏の席はあっという間に埋め尽くされた。

 ただ、「主役」の剛腕ぶりは影を潜めた。初回、先頭の水岡をチェンジアップで空振り三振。いつもの投球と様子が違う。投じた6球のうち直球は1球だ。その後も変化球が全体の約8割を占めた。これまで試合でほとんど投じていないカーブを多投し、2回には制球が定まらずに3四球などで2失点。バックネット裏からは戸惑いの声が漏れた。

 大慈弥部長はこう分析する。「初めて彼の投球を見た人は、少しがっかりする気持ちもあったかもしれない。完全に(力を)抑えていたから。甲子園で勝ち抜くためにいろいろと考えているのだと思う」。ヤクルトの斎藤宜之スカウトも、「頭のいい子。夏の岩手大会の(速球に強い)盛岡大付や花巻東を想定しているんでしょう」とうなずいた。

 昨秋の岩手県大会では最速157キロを計測したが、準決勝で盛岡大付に敗戦。160キロに設定したマシンで打撃練習を行う同校に打ち込まれた。佐々木は以前「今のメンバーと一緒に甲子園に行くことに意味がある」と話していた。スカウトに対するアピールよりも優先するものがある。

 学校の方針で取材対応はなかったが、この日の最速150キロを体感した仙台育成の3番・大栄は「163キロも頭に入れると、変化球の緩急にはとても対応できない」という。須江航監督も「(打たせて取る投球で)チームを強くしようという気概を感じた。日本の宝だと思う」と評した。

 スカウト陣は本来の姿が見られず、残念だったかもしれない。それでも「令和の怪物」は岩手大会を勝ち抜き、夏の甲子園に出場するために新たな投球スタイルも模索している。(武田 勇美)

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