防御率54・00から始まった今季…中日・田島の“逆襲”に期待

[ 2019年4月21日 10:00 ]

中日・田島
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 防御率54・00―。復活を期す男の今季は、とんでもない幕開けだった。

 プロ8年目を迎えた中日の田島慎二投手(29)。かつて守護神を務め、17年には34セーブをマークしたが、昨季は不振から2度の2軍落ちを経験。6月以降は抑えの座もはく奪され登板はプロ入り最少の30試合にとどまった。

 背水の覚悟で挑んだ今季、オープン戦8試合で防御率0・00と安定感、自信を取り戻し、首脳陣の信頼も勝ち取った。

 満を持して迎えた3月29日、DeNAとの開幕戦。出番は2点を追う8回に訪れた。だが、味方のまずい守備もあり、筒香に一発を浴びるなど1回を6失点。防御率54・00で自身の今季がスタートした。

 「自分が自分に期待していたのに、数字はつまずきました」

 ただ、田島の顔に悲壮感はなかった。「投げているボールはずっと良かったので」。昨季と違って自分を、自分の球を信じられるようになったのだ。

 その背景にはオフからの取り組みがある。「1球の失敗でホームランを打たれるのが嫌という意識が強く、丁寧に丁寧にとなっていた」と昨季を反省。徹底して「腕を強く振ること」に意識を置き、トレーニングに励んだ。

 さらに、15センチほどの小さな変化も功を奏した。「よりインコースにシュートしていく球を右打者に印象付けられる」と、オフにプレートの立つ位置を三塁側から一塁側に変更。春季キャンプ最終盤には一塁側ギリギリだった立ち位置を半足分、つまり15センチほど三塁側寄りに戻した。「それが一番、外角のストレートが強い球が行くと分かった」と理由を説明する。

 実際に登板2試合目からは8試合連続無失点と、初戦のイメージを払拭(ふっしょく)する好投を続けている。自分の納得できる球が投げられている証拠だ。

 そして、こう言って笑った。「防御率54点から増えることってよっぽど(でないと)ないでしょ? ちょっとずつ、下げていくしかない」とポジティブに現状を受け止めている。

 16日のDeNA戦では7回2死一、三塁のピンチで先発・大野雄の後を受け登板。イニング途中でマウンドに上がったのは「いつ以来だろう」と自身でも記憶になかったが、ソトを左飛に仕留め、左腕の573日ぶりの白星をアシストした。

 試合後には2人で笑みを浮かべる写真をインスタグラムに投稿。大野雄も田島同様、昨季未勝利と不振にあえいだ。「2人とも去年1年きつかった。沖縄で自主トレしている時に『頑張ろう』と話していた」と先輩左腕の復活勝利を自分のことのように喜んだ。

 20日現在の防御率は6・48。54・00に比べれば下がったが、まだ満足できる数字ではない。「50登板は超えたいし、理想を言えば1点台、最悪でも3点台を切りたい。2点台前半ぐらいですかね」と先を見据える。

 仮定の話はするべきではないが、今後50イニングを投げて自責点10点とすれば、これまでの9試合の成績も含め防御率は2・47になる。不可能な数字ではない。

 右腕が入団した12年以降、チームは優勝から遠ざかっている。田島の防御率が下がれば下がるほど、チームの順位は反比例して上昇することを願う。(記者コラム・徳原 麗奈) 

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