阪神・岩田、564日ぶり1勝 泥臭く118球完投 「杉内師匠」の魂乗り移った

[ 2019年4月19日 05:40 ]

セ・リーグ   阪神13―5ヤクルト ( 2019年4月18日    神宮 )

完投勝利を飾った岩田(撮影・坂田 高浩)
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 復活星や! 阪神の岩田稔投手(35)が18日のヤクルト戦(神宮)で今季初登板。9安打5失点と粘りの投球で17年10月1日の巨人戦以来564日ぶりの勝利を挙げた。完投勝利は15年6月16日の日本ハム戦以来、実に1402日ぶりだ。2軍スタートを強いられたプロ14年目の今季。神宮に駆けつけたファンに向かって両手を高々と掲げ、喜びを爆発させた。

 「師匠」の魂が乗り移っていた。あの人のようにチーム、仲間を思い、最後までマウンドを守り抜く心意気――。受け継いだ思いを白球に込め、岩田が泥臭い118球で9回を投げ抜いた。

 「(完投星は)涙が出るくらいうれしい。昨年はずっとファームで戦力になれていなかったので。(前日に総動員した)リリーフを休ませることができた」

 初回に失点しても「ヤクルト打線は強力なんで引いてたら駄目」と攻めの投球を貫いた。持ち味のゴロ凡打を量産。2本のソロを浴び、9回も味方の失策絡みで招いたピンチから2失点と、何度も飲み込まれそうになりながら、必死に耐えた。

 プロ14年目。ベテランの域に差し掛かる中で、昨年、ぐっと拳を握り直した。09年から4年間、合同自主トレ行ってきた巨人・杉内が、現役引退を表明。自宅で正座して引退会見を見ながら、過去、現在、未来とさまざまな思いを巡らせていた。

 「俺の師匠やからな。練習に打ち込む姿勢がすごいし、走ることに関して、全部かなわない。量も質も全部。自主トレやらせてもらったから今の俺がある。投げ合った2回は負けてるけど、ちょっとでも追いつけるようにと思ってやってきた」

 理想の投手像だった。脱力投法や、指先の繊細な感覚。先輩の助言のすべてが、肥やしとなる中で、投手としての心構え、立ち振る舞いを胸に刻んだ。

 「仲間を思う熱い気持ち、負けん気の強さ、練習に取り組む姿勢、すべてにおいて勉強になった」。キャリア後半は故障に苦しみながらも、最後まで1軍のマウンドを目指した。「杉内俊哉の生き様」を目に焼き付け「俺もまだまだ諦めたらあかん。できると思って来年やる」と勝負の1年を見据えていた。

 開幕2軍でも、気持ちを切らすことなくつかんだチャンスをものにした。試合後は「(35歳でも)体も全然元気やし、全然できる。中途半端では辞められないから」とかみしめ、「師匠」にも健在を示せた。

 矢野監督も「岩田にとっても大きいし、チームにとっても大きい1勝になったと思う」と称賛。きょうから始まる平成最後の巨人3連戦へ勢いを与える力投になった。

 敵地でのヒーローインタビューでは終始、声は上ずった。「まだまだこれからです!」。岩田稔の底力を示した。(遠藤 礼)

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