「サイトーの意見が通った」FAの流れ味方にマチャドと“幸運”3億ドル契約

[ 2019年4月19日 08:49 ]

今季パドレスに加入したマチャド(AP)
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 【斎藤隆氏サミー・リポート】メジャーでも7年間プレーし、現在はパドレスの球団アドバイザーを務める斎藤隆氏(49)のスポニチ本紙コラム「サミー・リポート」は4年目に突入。シーズン中は日米を往復し、環太平洋地区のスカウティングも担当する斎藤氏が、MLBの最前線の情報を月1回(第3金曜日掲載)お伝えします。

 パドレスは今季、ここまで11勝8敗と好調なスタートを切りました。最大の要因は、昨オフのFA市場でブライス・ハーパーとともに「ビッグ2」と言われた強打の三塁手、マニー・マチャドを獲得したことです。総額3億ドル(約336億円)の10年契約。当時FA史上最高額の契約でした。

 今年2月21日。キャンプ地の球団オフィスに、ピーター・サイドラー・オーナーが入ってきました。すると、スタッフ全員に「君はハーパーとマチャドのどっちが欲しい?」と質問してきました。2人とも26歳。最後に「サイトーはどうだ?」と聞かれたので、「マチャド」と答えました。理由は、パドレスはスマートでおとなしい選手が多いから。マチャドは自由奔放な感じで、プレーも派手ですが、自分のやるべきことはしっかりやるタイプ。チームが変わるには、彼のような選手が必要だと思いました。

 オーナーが部屋を出た5分後、「マチャドと合意」の報道が流れました。スタッフはお祭り騒ぎ。「サイトーの意見が通った」と冷やかされましたが、その時点ではもう決まっていたそうです。なぜヤンキースやレッドソックスのようなビッグクラブではなく、「スモールマーケット」のパドレスが勝利できたのか。幸運のカギは、FA市場の流れにありました。

 ビッグクラブ同士のマネーゲームになると、勝ち目はありません。しかし、マチャドとハーパーに関しては「代理人VS球団」の構図になり、敏腕代理人の高額要求にビッグクラブが乗ってこず、キャンプが始まっても金額が思った以上に上がらなかったのです。その間隙(かんげき)を突いて、パドレスが勝負に出てマチャド獲得に成功したのです。

 1週間後、ハーパーはマチャドを上回る3億3000万ドル(約370億円)でフィリーズと13年契約で合意。3月にはエンゼルスがトラウトと12年総額4億2650万ドル(約478億円)で延長し、さらに更新しました。もしハーパーの契約が先なら、マチャドの金額は高騰し、パドレスが契約できたかは分かりません。FAの流れは全てつながっているのです。

 パドレスはマチャドがクラブハウスでどんな振る舞いをするのか、人間性もリサーチし、チームにフィットすると判断しました。まだ開幕20試合足らずですが、その相乗効果は確実に出ています。 (パドレス球団アドバイザー)

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