【南大阪】近大付・大石 覚醒12K 阪神スカウト「将来性ある」

[ 2018年7月9日 09:53 ]

第100回全国高校野球選手権記念南大阪大会1回戦   近大付4―1狭山 ( 2018年7月8日    シティ信金スタ )

<近大付・狭山>12奪三振1失点完投した近大付・大石 (撮影・神原 有沙) 
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 第100回全国高校野球選手権記念大会(8月5日から17日間、甲子園)の地方大会が8日、各地で行われた。南大阪大会では、近大付のプロ注目左腕・大石晨慈投手(3年)が12奪三振1失点完投。3年ぶりの初戦突破へ導いた。大阪桐蔭が北大阪に入った記念大会は、南で戦う各校にとっては大チャンスだ。近大付同様、かつて私学7強と称された興国、阪南大高も初戦を突破した。

 左の大器がついに目覚めた。初回1死から三振振り逃げを皮切りに3連打を食らって1点を失ったが、大石はここからギアを上げた。後続を力のある直球とスライダーで連続空振り三振に仕留めると、尻上がりに調子を上げた。被安打9の12奪三振。実に10個を宝刀スライダーで奪った。

 「全然納得していません。実力の半分も出せなかったです」

 目指す理想が高いからこそ、反省ばかりが口をついた。名門校で1年夏から「1」を背負う。16年夏、17年夏の初戦に先発したが、いずれも5回持たずに降板。試合にも敗れた。「何が何でも勝つ。全力でいきました」。試合前日、頭髪を五厘に刈った。涙をのんだ先輩の思いも胸に、力の限り腕を振った。

 最速141キロを誇るプロ注目の逸材だ。ソフトバンクなど3球団が視察。最速は135キロを計測した。阪神の畑山俊二チーフアマスカウトは「スライダーで三振が取れるのは左投手として大切な要素。将来性はあるので、これからも見ていきたい」と評価した。

 中学3年時にテレビ番組の企画で、井口(ロッテ監督)と対戦し、直球で空振り三振を奪った。ジャイアンツ杯に優勝し、U―15日本代表にも選出された経歴を持つ。そのU―15では今秋ドラフト候補の報徳学園・小園や天理・太田らとしのぎを削った。「甲子園で再会して勝負がしたい」――。90回の記念大会はPL学園を相手に延長12回サヨナラ勝ちを収め、南大阪を制した近大付。10年ぶりの夏切符獲得へ、負けられない夏が始まった。(吉仲 博幸)

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2018年7月9日のニュース