【西東京】中大杉並19歳・沢野監督 夏1勝 LINEで選手とコミュニケーション

[ 2018年7月9日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念西東京大会2回戦   中大杉並7―0都調布北 ( 2018年7月8日    ネッツ多摩昭島 )

<中大杉並・都調布北>ベンチから身を乗り出して戦況を見つめる中大杉並・沢野監督 (撮影・渡邉 雄人)
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 選手時代とは違う緊張感。ようやく解放されたのは、コールド勝ちを決めた8回だった。コーチとハイタッチで喜びを分かち合った中大杉並の沢野雄哉監督は「公式戦は初勝利。夏も1勝できて、ホッとしている」と本音を漏らした。

 19歳の中大2年生。2年前には中大杉並で主将を務め、正捕手としてプレーした。監督は父の雄治さんで父子鷹だった。3年夏は4回戦で強豪の日大三に敗退し、引退。父も退任したが、翌年、大学生になった自身は再び学生コーチとして戻ってきた。そして秋季大会後から監督に就任。父子で監督を務める「2代目」となった。

 迎えた夏初戦。2回に1点を先制し、3回には8番・小林からの3者連続適時打などで一挙5点を奪った。畳み掛ける攻撃。沢野監督は「自分のスイングで強く振れという指導が実った」と喜んだ。

 3年生にとって、沢野監督は一緒に戦った先輩である。主将の岡野が「監督が3年生として出場している試合を直接見ている。その経験を教えてくれる」と話すように、現役時代の経験を色あせることなく伝えている。

 「大学が終わった後に僕らの練習を見て、その後バイトに行く。感謝しかない」とエースの谷津。7安打を浴びながら7回を無失点に抑える粘りの投球で期待に応えた。「LINEで投球の相談にも乗ってくれる」(谷津)と19歳らしいコミュニケーションを取る沢野監督。そんな指揮官は次戦に向け「たくさん練習し、個々のコンディションを上げたい」と力強く話した。 (渡辺 雄人)

 ◆沢野 雄哉(さわの・ゆうや)1999年4月1日生まれ、東京都出身の19歳。小学2年の時に八王子リトルで野球を始める。中大杉並時代は捕手で主将も務める。右投げ右打ち。現在は中大法学部に所属。両親と弟の4人家族。現在コンビニでアルバイト中。

 ≪甲子園では19歳が最年少≫甲子園では75年センバツに出場した豊見城(沖縄)の亀谷興勝監督の19歳が最年少。年齢制限で公式戦出場ができなかった亀谷を当時の栽弘義監督が監督で登録。栽監督は部長として背広姿でベンチ入りした。夏の地方大会では10代監督の例は多く見られる。特に高専は5年生が監督登録するケースも多い。近年19歳で指揮したのは05年・都戸山(東東京)の山下洋介監督、08年・呉高専(広島)の古本拓也監督、10年・茨城高専の松田優也監督、14年・豊田高専(愛知)の相馬健二監督らがいる。

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