代表引退へ…ビジャ ラストゲームで見せた輝きと未練

[ 2014年6月25日 14:05 ]

後半途中交代となり、ベンチのメンバーから抱きしめられるビジャ(AP)

W杯ブラジル大会1次リーグB組 スペイン3―0オーストラリア

(6月23日 クリチバ)
 W杯を去る瞬間は突然やってきた。後半11分。交代を告げられたスペインFWビジャは、左胸のエンブレムに何度もキスをし、涙を浮かべ、ベンチへ戻ると顔を覆った。

 今大会限りでの代表引退を示唆していたかつてのエースに出番が回ってきたのは、1次リーグ敗退決定後の消化試合。動きは良かっただけに交代も早い印象を受けた。「彼のラストゲームとは知らなかったんだ」。デルボスケ監督の釈明が、今大会で空回りを続けた世界王者を象徴していた。

 左サイドで先発し、前半36分にゴール前でファンフランの右折り返しを決めて先制弾。ゴールラインぎりぎりから来たボールは自陣寄りにずれたが、とっさに右足を大きく開き、ヒールで左方向のゴールへ流し込んだ。W杯3大会連続通算9点目は、スペイン代表歴代最多得点記録を自ら更新する通算59点目だった。

 4年前の世界一直後から苦悩が始まった。移籍したバルセロナで、自由にプレーするメッシのツケを払う形で守備でのハードワークを強いられ、ゴール数も減った。11年12月のトヨタ・クラブW杯での左足骨折後は衰えも見られ、代表も“ゼロトップ”を採用。Aマドリードに移籍した今季こそ復調したが、W杯初戦と2戦目で先発したのはクラブで同僚のジエゴ・コスタだった。

 今後はスペインを離れ、15年から米MLSに参入するニューヨーク・シティーへ移籍。それまではメルボルン・シティーでプレーする。「代表でプレーするのが夢だった。できれば55歳までプレーしたいけど、それは無理(笑い)。来季からMLSへ行くので代表入りは難しいだろう。得点記録は誇りに思うけど、スペインのためにも他の選手に破ってほしい」。失望と感慨の中に、少しだけ未練がまじった。

 ◆ダビド・ビジャ・サンチェス 1981年12月3日、スペイン・アストゥリアス州ラングレオ生まれの32歳。ヒホン―サラゴサ―バレンシア―バルセロナ―Aマドリード。リーガ・エスパニョーラ、スペイン国王杯とも3度の優勝を経験。バルセロナで10~11年欧州CL、11年トヨタ・クラブW杯優勝。スペイン代表は05年に初招集され、08年欧州選手権と10年W杯で優勝してそれぞれ得点王。代表通算97試合59得点。1メートル75、69キロ。

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