【コラム】戸塚啓

Jリーグ再開に必要なこと

[ 2020年4月23日 07:00 ]

 Jリーグ再開には何が必要だろう、という発想はもはや頭から締め出している。

 ゴールデンウィーク明けに、外出の自粛要請が解除されているだろうか。2か月後、3か月後に、新型コロナウイルスを気にしないで生活できているだろうか。

 そうあってほしいと願う。しかし、現実的には難しいと言わざるを得ない。

 新型コロナウイルスのワクチンができるのは、まだまだ先だと報道されている。2、3か月後の私たちが、予防接種を受けられるようになっているとは想像できない。

 インフルエンザのように割り切って付き合っていくことを覚悟して、そのうえで不安を感じずに生活できる日々は、半年後になるのか、それとも1年後か、あるいは2年後か。ひとつだけはっきりしているのは、このウイルスには忍耐強く挑まなければならないということだろう。

 ドイツのブンデスリーガは、5月にも再開の可能性があると報じられた。韓国のKリーグも、各クラブが練習を再開しているという。一方で、オランダは9月1日まで国内すべてのスポーツを禁止すると発表した。これにより、エールディビジの再開は難しくなった、と伝えられている。

 国によって感染被害は異なり、それゆえに判断も変わってくるが、リーグ戦の再開に向けた条件は同じはずだ。「試合開催が感染拡大につながらない」ことと「選手と観客の安全の確保する」ことである。

 ホーム&アウェイで試合を行っていく限り、ほとんどのアウェイゲームには移動が伴う。多くの場合は公共交通機関を利用することになる。現状ではそれだけでもう、選手たちに感染のリスクを背負わせてしまうことになる。

 一人ひとりがどれほど注意をしても、移動をするだけで感染と背中合わせになり、クラスターの発生源となるリスクを背負わされる。チーム関係者の心理的な負担は、相当なものだと想像できる。

 移動のないホームゲームも、安全を確保するのは容易ではない。多くの関係者が運営に携わっており、ボランティアや警備員も含めると100人以上にもなる。スタジアムの規模によっては、もっと多くの関係者が絶え間なく、長時間にわたって接触を繰り返す。ドームスタジアムではない気密性の薄い空間だとしても、いつ、どこで、感染してもおかしくない。感染経路も特定できない。

 すでに7、8月の花火大会はお祭りなどが、続々と中止されている。実施するとなれば数カ月前から、つまりはいまこの時点から準備を進めなければならない。外出の必要性が生じるなかでの準備は、実質的に不可能だからだろう。

 出口の見えない緊張はストレスを増幅させるが、警戒心を緩めるわけにはいかない。感染拡大を防ぐために「ステイホーム」を守ることが、いまこの難局でJリーグが果たすべき社会貢献だろう。(戸塚啓=スポーツライター)

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