【コラム】海外通信員

ブラジル ついにサッカースタジアム観衆が100%解禁に

[ 2021年11月2日 12:00 ]

スタジアム入場者制限が、11月1日からついに100%解禁となったブラジル
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 サンパウロ市の街の様子を見渡すとマスク以外はほぼ普通に戻ってきた。サンパウロ州のワクチンスケジュールは18歳以上の1回目接種を目標完了(約92%)したところで、レストランやバー、ショッピングセンターなど商業施設は収容人数、制限時間も解除された。心配されたデルタ株の波が来ることもなく、今は、大勢の人がマスク姿で出歩き、経済活動再開となっている。

 昨年の3月24日に非常事態宣言発令、クワレンテーナ(隔離)が始まってから、サンパウロ市は『プラーノ・サンパウロ』という名のパンデミック対策計画を推進してきた。現在、市内では18歳以上約88%が2回接種(3回目も進んでいる)を完了したところで、実に587日ぶりに11月1日から規制緩和をほぼ100%にすることになった。ソーシャルディスタンスの確保やマスク着用などの感染予防措置は引き続き求められるものの、サッカースタジアムも10月15日から50%だったのが11月1日からついに100%解禁となった。ただし条件がある。

 1、マスク義務

 2、ワクチンパスポート(2回接種かヤンセン社の1回接種)

 3、1回のみ接種者はは24時間以内の抗体検査か48時間以内のPCR検査の陰性証明

 ここからは、いかに経済活動の再開を盛り上げていくのかが問題だが、休業・時短営業の支援金など無く、多くの飲食店が営業を辞め、”貸店舗”もしくは”売り店舗”の看板が掲げられている。ドルは上がり、インフレが加速し二桁になってしまった。スーパー、パン屋と日々の生活で値上がりが目に見えている。ただ、街の様子は、多くの飲食店が閉鎖され、”貸店舗”もしくは”売り店舗”の看板が掲げられている一方で、ビル、マンションの建設が増えている。市内中心部のあちこちで昨年の2倍とも言われる数の建設ラッシュが起きている。もちろん、ビルの建設などは、数年に渡ったプロジェクトなので、パンデミック前から始まっていたものが多いが、コロナ禍における生活様式の変化と金利が下がったことで購入に踏み切った人たちも増えたということだ。

 コンサートやライブのイベントでもワクチンパスポートの提示が必要ながら、100%解禁に人々の気持ちは明るくなっている。先日、パンデミックが始まって以来、初めてのライブに行ってきたが、観客はマスクをしているもののノリノリで緩和を楽しんでいた。

 しかし、一方でスタジアムにサポーターが解禁になり熱い応援が戻ってきたのはいいが、ストレス発散なのか、早速暴動も起きている。

 ブラジレイロン・セリエA(全国リーグ1部)が残り10試合(全38試合)と終盤戦に差し掛かってきたところだが、名門クラブグレミオが下から2番目という不名誉なポジションで下位4チームの2部落ちの危機がどんどん現実味を帯びてきた。

 10月30日に行われた29節グレミオ対パルメイラス戦に3-1で負けた。一時は2-2の同点に追いついたグレミオのゴールをVAR判定で取り消されたばかりか、終了間際にパルメイラスに更なる追加点を許してしまった。グレミオはパルメイラスの前のアトレチコ・ゴイアニア戦でも黒星で厳しい2連敗に怒った一部のサポーターがピッチに乱入し、テレビ放送機器やVARのモニターを壊し大暴れ。選手たちは慌てて逃げるという状況に陥った。

 グレミオはここ数年、2017年のリベルタドーレス杯優勝を始め、コッパ・ド・ブラジル優勝、カンペオナート・ガウーショ(州リーグ)でもライバルのインテルを押し退け3連覇していたが、4月にリベルタドーレス杯敗退の責任でヘナト・ガウーショ監督が解任され(その後フラメンゴの監督に)、さらにチームが弱体化していった。

 ルイス・フェリッペ・スコラーリ監督はチームを立て直すことができず、ヴァギネール・マンシーニ監督が引き継いだものの降格ゾーンに定着。降格の可能性は70%と上がる一方だ。

 名門サントスも一時は下位に落ちていたが、なんとか上昇してきたが、2連敗したりしたら降格ゾーンという、まだ油断ならぬポジションにいる。名門も簡単にはいかないのがブラジルのセリエAの厳しい争いだ。昨シーズン、セリエBに降格してしまった本田圭佑選手が在籍していたボタフォゴは、セリエBで2位をキープして、このままいけば、1年ぶりにセリエAに戻って来れそう。(大野美夏=サンパウロ通信員)

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