菜葉菜 難役、衝撃シーンに挑戦「ちょっとでも成長した姿を見てもらいたい」18日から主演映画公開

[ 2023年2月16日 05:00 ]

新作「TOCKA[タスカー]」について熱く語る菜葉菜
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 女優の菜葉菜(年齢非公表)の最新主演映画「TOCKA[タスカー]」(監督鎌田義孝)が18日の東京・渋谷ユーロスペースから順次全国公開される。2005年公開の初主演作「YUMENO ユメノ」以来、17年ぶり(撮影時)に鎌田監督と組んだ意欲作。「ちょっとでも成長した姿を見てもらいたいと思って演じました」と本紙に語った。

 「タスカー」とは憂うつ、憂愁、絶望などを意味するロシア語。SNSを通して「嘱託(しょくたく)殺人」をもちかけられ、悩みながらも引き受けるヒロイン本田早紀を存在感たっぷりに演じきった。

 「ロック歌手になる夢も破れ、生きる目標とかもなくなってしまい、自分の価値も見いだせない孤独な早紀。保育士から女優になれた自分自身とはかけ離れてはいますが、彼女の心情に寄り添った時に理解できる部分があったので、難役でしたけど納得して演じることが出来ました」

 早紀はSNSの掲示板を通してロシア人相手に中古電器店を営む男(金子清文)と出会う。「殺してくれ」と思わぬ依頼を受けるが、そこに廃品回収業の男(佐野弘樹)も絡んで物語は展開。生と死を巡る三者三様の思いが複雑に交差する中で進んでいく。

 「ネット社会ならではのお話ではあるなと思います。年齢問わず、それぞれの世代から何かを訴えかけてくるような作品かと。監督がずっと温めてきたテーマ。ぶれずに、この作品をやりたいという作り手のエネルギーが伝わる作品になっていると思います」

 「ユメノ」同様、北海道が舞台。冬の根室、釧路、室蘭などの寒々とした景色が16ミリフィルムに収められ、それが登場人物たちの心象風景とあいまって切なくも強烈に映る。

 室蘭の海に車ごとダイブする決死の場面は東京近郊で練習を重ねたそうだが、「いざやるとなると、やっぱり恐怖感はありました。1回で成功したので胸をなで下ろしました」と、改めてホッとした表情を浮かべた。

 2022年は「夜を走る」「夕方のおともだち」「ノイズ」「ワタシの中の彼女」など多くの出演作が公開された。銀幕へのこだわりは強い。「常に追い求めています。いつか“映画俳優といえば菜葉菜”と思ってもらえる役者になれたらいいなと思う」と語る。

 渡辺哲(72)と共演した産業機械などのメーカー「クボタ」のCMも好評だった。「大きな反響をいただきました。映画俳優を目指していますが、テレビやCMも大事だなと思います。それが縁でつながったりすることもあるので、一つ一つ大切にしていきたい」とキラリ瞳を輝かせた。(佐藤 雅昭)

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