藤井王将 棋王挑戦争い最中・佐藤とのA級戦始まる!前夜、名人挑戦争いの暫定単独首位に初浮上

[ 2022年12月23日 11:29 ]

A級順位戦で佐藤天彦九段と対局する藤井聡太王将(日本将棋連盟提供)
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 藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖を含む5冠=が23日、地元・名古屋将棋対局場で佐藤天彦九段(34)との第81期名人戦A級順位戦6回戦に臨んだ。午前10時に始まり、先手佐藤の矢倉へ進んだ。対局開始から1時間余り後の28手目、藤井は右桂を5段目に跳ね出し、果敢に開戦した。

 10人が総当たりで9局ずつ指し、年度を通じて名人挑戦権を争うA級。藤井は4勝1敗、佐藤は1勝4敗で迎えた。

 佐藤とは例年2月に開幕する棋王戦5番勝負の挑戦権をかけて、挑戦者決定2番勝負でも対局中。挑戦者決定トーナメントでは佐藤が勝利したが、その後も双方が勝ち上がり19日の2番勝負第1局は藤井が勝利した。

 27日には渡辺明棋王(38)=名人との2冠=への挑戦権をかけ、大一番となる第2局が行われることが決まっている。その最中に、実施されたA級。こちらも藤井にとって重い意味を持つ対局となった。

 前日、東京・将棋会館で指されたA級の豊島将之九段(32)―広瀬章人八段(35)は豊島が132手で敗れ、2敗に後退した。暫定ながら1敗は今期初めて藤井ただ一人となり、4勝2敗で豊島ら5人が追う展開になった。

 藤井には今期、谷川浩司17世名人(60)が83年に達成した21歳2カ月での最年少名人の更新がかかる。ただ、そのチャンスは1度きり。例年4月から6月に開催される名人戦7番勝負後の7月19日、21歳の誕生日を迎えるためだ。

 年明け8日からは、第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負で羽生善治九段(52)とタイトル戦初対決する。名人挑戦争いでは少しでも有利な状況で年を越したいと願うのは人情だろう。

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2022年12月23日のニュース