高橋一生 「露伴」第3期で「受け」の芝居

[ 2022年12月23日 09:00 ]

ドラマ「岸辺露伴は動かない」に主演する高橋一生(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】俳優の高橋一生(42)が主演するNHKドラマ「岸辺露伴は動かない」の第3期が26、27の両日、放送される。高橋は「これまでの岸辺露伴像を崩してくれるエピソードで、露伴を1人の人間にしていく上で良いお芝居ができた」と話す。

 放送されるのは第7話「ホットサマー・マーサ」(26日後10・00)と第8話「ジャンケン小僧」(27日後10・00)。第1期、第2期に続いて泉京香役で飯豊まりえが出演し、第7話には若い女性・イブ役で古川琴音、第8話にはファンの少年・大柳賢役で柊木陽太がゲスト出演する。

 高橋は「飯豊くん以外は基本、動物と子役とお芝居をした。古川さんとのシーンは少なくて、あまりお芝居をしていない。犬に向けてお芝居をし続けるのは初めての経験だった」と話す。

 「ホットサマー・マーサ」は荒木飛呂彦氏の原作漫画の最新エピソード。露伴が「バキン」と名付けた子犬を連れて散歩に出かけたところ、見知らぬ神社に迷い込み、巨木の洞に入ると不思議な現象に見舞われる。

 高橋は「これまでの露伴には、犬を飼うイメージがなかった。撮影では小型から大型の犬までご一緒したが、大型には思いのほか引っ張り回されてしまった。僕は小型しか飼ったことがないので、大型を飼うのは難しいと思った」と笑う。

 「ジャンケン小僧」は漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の中のエピソード。露伴の前に現れたファンの少年がジャンケンをしようと提案し、行く先々に現れて挑んでくる。

 高橋は「子役の柊木さんはとても大人っぽい方で、お芝居に対して自分のこだわりを持ち、自分のお芝居の質感みたいなものを把握できている方だと思った。お芝居で会話して行く上で、2人の心理戦の様子をうまく出せたと思う」と語る。

 露伴は物語の中で少年を子供扱いせず対等な感じで接していく。

 高橋は「僕は露伴の感覚に賛成だ。相手が子供だから違うように扱うというのはある意味で差別になる。露伴は子供を対等の人と見て、周りの目を気にせず、最初から全力で当たる。心理戦として圧をかける。現実としてはなかなか難しいことだが、僕自身が露伴から学べたところもある。撮影では、子供だからということを排除してお芝居をした」と明かす。

 演出は第1期、第2期に続いて渡辺一貴氏が務めた。

 高橋は「一貴さんと話して、お芝居のベースを1期に戻してみようということになり、受けることを意識してお芝居をした。能動的にお芝居をすることを極力少なくして、犬のお芝居を受け、柊木さんのお芝居を受けた。柊木さんがお出しになるものをなるべく受けてお芝居することを心がけた」と明かした。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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2022年12月23日のニュース