季節の変わり目、悲しい調べが続く

[ 2021年10月11日 14:50 ]

落語家の柳家小三治さん
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 【佐藤雅昭の芸能楽書き帳】急に寒くなったかと思えば、突然暑さがぶりかえしたりする。激しい寒暖の差に体がついていかない。そんなことも影響しているのか、芸能界に悲報が続く。

 人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの音楽を手掛けた作曲家のすぎやまこういちさんは敗血症性ショックのため9月30日に90歳で永眠。ゲームに夢中になった方ではないが、東京五輪の開会式にも使われた「ドラクエ」の音楽はもちろん知っている。

 改めて振り返ると、手掛けたジャンルの広さに驚かされる。ザ・ピーナッツの「恋のフーガ」、ヴィレッジ・シンガーズの「亜麻色の髪の乙女」、ザ・タイガースの「花の首飾り」、ガロの「学生街の喫茶店」などのヒット曲。ザ・タイガースというグループ名を考案したのもすぎやまさんだった。

 「サイボーグ009」や「科学忍者隊ガッチャマン」などアニメの主題歌もある。そして個人的に最も耳になじんでいるのが、東京競馬場と中山競馬場のG1レースのファンファーレ。10月10日に東京競馬場で行われたG2「毎日王冠」では追悼の意味を込めてG1ファンファーレが場内に鳴り響いた。テレビで見ていて、JRAの粋な演出に胸が熱くなった。

 細川たかし(71)の「望郷じょんから」や千昌夫(74)の「望郷酒場」などで知られる作詞家の里村龍一氏は10月5日にアルコール性肝硬変で72年の生涯を閉じた。北海道釧路市の出身。恥ずかしながら同郷とは知らなかった。市内に事務所兼自宅があり、音楽教室を開いていたという。

 ちあきなおみ(74)の「紅い花」や「ねぇ あんた」などの作詞を手掛け、構成作家や舞台演出家としても活躍した松原史明さんは6月30日に亡くなっていたことが10月9日に公表された。89歳。ちょうど30年前の91年10月に発売された「紅い花」はちあきの最後のオリジナルシングル曲。95年公開の映画「GONIN」の挿入歌としても使われ、話題となった。

 落語界も大看板を失った。人間国宝の柳家小三治さんが10月7日に心不全で急逝。享年81。5日前の同2日に東京・府中の森芸術劇場で「猫の皿」を演じたのが最後となった。当代最高峰の落語家で、柳家のお家芸である滑稽噺の継承者として活躍、導入部の長いマクラでも人気を集めた。ひょうひょうとして、一見ぶっきらぼうにも思えるしゃべり口調が味わい深かった。

 三代目古今亭志ん朝、五代目三遊亭円楽、七代目立川談志、五代目春風亭柳朝(その後、八代目橘家圓蔵)の、いわゆる四天王がいなくなった後の落語界を第一人者としてけん引した。柳家三三(47)という逸材を大きく育てた功績も大きい。

 柳家喬太郎(57)や立川志の輔(67)、立川談春(55)らと並んでチケットを取るのが難しかった。最後に至芸に触れたのは20年10月21日の東京・目黒パーシモンホール。コロナ禍の中、入場者を制限しての一門会。「青菜」を演じた。「私に頂ける拍手をきょうは医療従事者のために送ってください」と訴えたのが耳に残っている。7月21日に20枚組CD BOX「昭和・平成 小三治ばなし」(ソニー・ミュージック)が発売されたばかりだが、あの高座がもう見られないと思うと残念でならない。知人が12月の会のチケットをゲットしたらしく、誘ってもらえそうだっただけに余計悔しさが募る。合掌。

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