プロ10球団の前で151キロ!旭川実・田中稜真が8回1安打無失点

[ 2024年5月24日 06:00 ]

<旭川実・札幌大谷>自己最速151キロをマークした田中
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 旭川実のプロ注目右腕・田中稜真(3年)が10球団が視察する前で自己最速151キロをマークし、チームを準々決勝進出に導いた。札幌大谷を相手に3点を追う2回無死満塁から登板し、8回のロングリリーフを1安打無失点。ロッテ投手の兄・楓基(20)の高校時代の最速150キロ超えで、逆転勝ちを呼び込んだ。駒大苫小牧、2連覇を目指す北海も初戦を突破した。

 田中の投球が春の円山を一気に熱くした。3点を追う2回無死満塁。初球144キロ、2球目で自己最速タイの148キロをマークした。先頭を一邪飛に仕留め、2番・松下を二ゴロに打ち取った1球は、151キロを叩き出した。9回まで許した安打は1本だけ。「どこまで直球が通用するか楽しみにしてきた」。投げては88球で5奪三振、打っても2打点で勝利を引き寄せた。

 射程に入れていた“夏”を前倒ししての大台到達だ。「調子が良ければ、いつ出てもおかしくなかった。球場で出せたのは結果として良かった」。そのための下地が実った。昨秋から内角攻めに徹底的に取り組んだ。技術面だけでなく、同居する長兄に相談し、食事面も見直した。

 昨年は夏秋の大会で試合中に足がつった。食べたいものを好きなだけ食べることをやめた。脂分を控え、遠征先でも消化のいい食事を心がける。「(体の)メンテナンスも成長した」という右腕に、岡本大輔監督(51)は「結果として151キロが出たのであればそれは良かったが、勝たないと意味がない。勝てる投球をしてくれた」とうなずいた。

 結果は出したが内容には満足していない。7回には先頭から2者連続死球を与え、マウンド上で直球の質が落ちたことを痛感した。課題もまた、夏への成長の源だ。夏は対戦することのない南北海道の札幌大谷を下し、次戦も選抜甲子園帰りの北海と対戦する。「夏につながる勝ち方、夏のためにどういう戦い方ができるか」。道内最速右腕は結果と成長を求め、春の円山に立つ。(竹内 敦子)

 ◇田中 稜真(たなか・りょうま)2006年(平18)10月8日生まれ、旭川市出身の17歳。旭川新富小1年時に新富野球少年団で野球を始める。旭川明星中では旭川大雪ボーイズに所属。1年夏の支部予選で初のベンチ入り。2年秋は全道大会2回戦敗退。家族は両親、兄2人。次男・楓基(20)はロッテ投手。1メートル78、80キロ。右投げ右打ち。

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