西武・隅田 389日ぶり勝利へ変えたこと「1軍で初めてオールドスタイルで…」お立ち台ではハプニングも

[ 2023年4月19日 22:55 ]

パ・リーグ   西武3―2ソフトバンク ( 2023年4月19日    ベルーナD )

<西・ソ>ヒーローインタビューで喜びをかみ締める隅田 (撮影・白鳥 佳樹)
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 西武の2年目左腕・隅田知一郎(23)が今季3試合目の先発登板。ソフトバンク打線を相手に6回を98球5安打3四球も1失点の力投を見せ、シーズンをまたいでの球団ワーストとなる連敗を12で止めた。昨年3月26日オリックス戦(ベルーナD)でプロ初登板初先発初勝利を挙げて以来389日ぶりの勝利で、待ちに待ったプロ2勝目。チームは5年ぶりとなる両リーグ10勝一番乗りを決めた。

 ヒーローインタビューでは、本拠地の大歓声を浴びながら「長らくお待たせしました」「昨年から我慢して使っていただいて、限りなく、誰も経験したことがないようないい経験ができていると思う。凄い、いい糧になっていると思います」と語っていた隅田。インタビュー中にはイヤホンに不具合が生じて、交換するために中断するハプニングもあった。しかし、一瞬静まり返った球場には「隅田、おめでとう!」「よく我慢した。ナイスピッチ~」など祝福の言葉が飛び交った。その声はお立ち台上の隅田にも届き、笑顔で応えた。

 試合後の囲み取材では「ベンチが勝ってすごく喜んでくれていたので、そこで実感が沸いてきました」と389日ぶりとなるプロ2勝目の喜びをかみ締めた。そして、目にこみ上げるものがあったとの問いかけには「汗です」と笑った。

 隅田との主な一問一答は以下の通り。

 ――1勝して率直な思いは。

 「初勝利から1年で(勝利は)こんな感じだったかな、と。ベンチが勝ってすごく喜んでくれていたので、そこで実感がわいてきました懐かしい感じです」

 ――勝てない時期は自分にとってどんな時間だったか。

 「まずは使ってくれた監督コーチに感謝していますし、ずっと応援してくれたファンのみなさんもそうですけど、いろいろな人に感謝したいです」

 ――6回の最後はガッツポーズも出た。

 「本当に豊田コーチから投げてもあと15球だ、魂込めて投げてこいと言ってもらったので。本当に一球一球気持ち込めて投げました」

 ――真っすぐで打ち取っている場面も多かったが直球の手応えは。

 「手応えはそんなになかったんですけど、一球一球しっかりストライクゾーンに投げ込んでいく。一球一球意識して投げて、そこで結果として抑えられたの良かったです」

 ――ソックスがオールドスタイルに。

 「変えました。去年はファームでしたことあったんですけど、1軍で初めてオールドスタイルで投げました」

 ――リードしながらの投球だった。

 点を取ってもらった後で絶対に先頭バッターを打ち取る気持ちだったけど、逆に空回りしちゃったので、思い切って次のバッターに集中していきました」

 ――登板終わった後、どんな気持ちで中継ぎ陣見ていた。

 「勝っているからじゃないけど、自分の投げた後の投手は常に応援しています。毎回抑えてくださいというところです」

 ――これが良かったから勝てたというところ。

 「持ち味が出せたことが良かったと思います。カーブとチェンジアップで真っすぐを速く見せること」

 ――ヒーローインタビューではで目に光るもの浮かべていたが。

 「汗です」

 ◇隅田 知一郎(すみだ・ちひろ) 1999年(平11)8月20日生まれ、長崎県出身の23歳。1メートル77、76キロ。左投げ左打ち。

 ☆球歴 小2から大村クラブで野球を始め、西大村中では軟式野球部に所属。波佐見では3年夏に甲子園に出場し、初戦で彦根東に逆転サヨナラ負け。西日本工大では1年春にリーグ戦デビュー。

 ☆忘れ物 入寮時に地元の長崎で両親の車に財布を忘れたまま、空路で羽田空港に到着。担当スカウトの岳野竜也育成アマチュア担当に1万円を借りて「借金入寮」した。

 ☆妹思い 契約合意時に大学進学希望だった高3の妹・葵さん(18)の学費を契約金で負担すると宣言。

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