「スピード奨励」、メジャーが独立リーグで「指名代走制度」の新ルールを実験

[ 2023年4月19日 09:00 ]

 メジャーリーグが18日(日本時間19日)独立リーグのアトランティックリーグで4月28日から3つの新ルールを実験すると発表した。複数の米メディアが報じた。

 目玉は「指名代走制度」。チームはスタメンの選手以外に一人指名代走を決めておく。その代走は試合中いつでも起用できるし、代走に交代となった選手も、代走で出た選手も、それでお役御免ではなく、再び試合に戻れる。これまでメジャーの試合で試合から退いた選手が再び出場したことはなかった。

 加えて、今季からメジャーでは投手のけん制球は打席につき2度までで、3度目は走者をアウトにできないとボークになるが、これを1度までとし、2度目でアウトにできないとボークになる。塁上の走者はもっと大胆にリードを取れるし、もっと盗塁を狙える。メジャーリーグ機構の狙いはさらなる「スピードの奨励」。けん制球の回数制限と、大きなベースで今季は盗塁数が増え、成功率も上がっているが、もっとチームがスピードを生かしたくなるようにし、意識改革を迫る。

 3つ目のルール変更は先発投手に長い回を投げさせたいという狙い。近年の野球では先発投手が早めに引っ込み、途中からブルペン投手が次々に交代していく展開で、ファンはあっという間に交代する投手に愛着を感じられないし、ブルペン投手が強力すぎて逆転を期待できないという問題があった。新ルールでは、指名打者制度に関連付け、先発投手が5回以上を投げたら、そのチームは指名打者制度を試合の最後まで使えるが、5回までに降板したら、指名打者を失い、その打順が回ってきたら投手が打つか、代打を出さないといけないとした。

 メジャーリーグは19年からアトランティックリーグとパートナーシップを組み、独創的なアイデアを試す実験場としてきた。今季からメジャーで導入された大きなベースと守備シフト制限は元々アトランティックリーグで実験が始まっている

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2023年4月19日のニュース