「白黒付けて来い」岡田監督の激励に阪神・西勇が完投で今季初勝利! 先制許すも熱投128球報われた

[ 2023年4月19日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2-1広島 ( 2023年4月18日    甲子園 )

9回2死満塁、サヨナラ適時打を放った中野(左)を抱きしめる西勇(撮影・平嶋 理子)
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 8回裏、一塁ベンチ内で阪神・岡田監督は西勇の元に歩み寄った。「(自分の力で)白黒付けて来い!」。既に球数は114球に到達しながらも9回のマウンドに送り出した。右腕はマクブルームに先制の適時二塁打を献上。しかし、続く西川を見逃し三振で仕留めた。最少失点で切り抜け、逆転サヨナラ勝利を呼び込んだ。

 「そりゃ気合は入るでしょう。“(監督の言葉にも)分かってます!”と。交代もしたくなかった。9回も投げるつもりだった」

 降板後もベンチの最前列で攻撃陣を鼓舞していた。決して諦めていなかった。結果的には9回4安打1失点。昨年8月19日の巨人戦以来の120球超えとなる128球の熱投で、今季チーム初の9回完投だ。「ブルペンでは全然悪かったみたいや」。試合後に指揮官が明かした舞台裏の不調を感じさせなかったのは、ベテランならではの投球術だった。いつも以上に低めを意識し、丁寧にコーナーを突いた。初回、先頭の菊池を空振り三振に仕留めるなど好調打線を完全に封じ込めた。

 「梅野の配球パターンが良かった。ゴロを打たせにいったボールで空振りを取れたのは良かった。(過去2戦は)6、7回で悔しい思いをしたので…」

 中盤以降は、さらにペースを上げた。今季初登板となった4日の広島戦は6回3失点で勝敗が付かず、前回11日の巨人戦は6回2/3を3失点で敗戦投手となった。この反省と悔しさを糧に、この夜は8回までわずか2安打で、二塁を踏ませない快投を披露。今季最多の6三振で待望の初勝利をつかんだ。

 「西に勝ち星が付くために…。だから、あそこまで投げさせた」

 指揮官の愛情も実を結んだ。オリックス監督時代の11年に西勇はプロ初勝利を含む2桁勝利を記録。その孝行息子が湯浅不在の救援陣を助けチームの連敗ストップにも貢献した。15年目のチーム最年長右腕が、岡田阪神をさらに勢いづける。(山本 浩之)

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2023年4月19日のニュース