日本ハム・金村が“痛恨の一球” バッテリーが直球を選択した背景

[ 2023年4月19日 06:00 ]

パ・リーグ   日本ハム2-4ロッテ ( 2023年4月18日    エスコンF )

<日・ロ>6回、追加点を許しベンチに下がる金村(撮影・高橋 茂夫)
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 表情をゆがめながら、日本ハム・金村は天井を見上げた。1―2の6回2死一、二塁で、ロッテの4番・山口に痛恨の左越え2点二塁打。続く安田は二ゴロで抑えるも、この回を最後に降板となった。6回4安打4失点。8奪三振の力投も、命運を分けた一球を悔やんだ。

 「カウントは1―2だったので、まだ(ボール球は)使えた。もっと内側に投げれば良かったし、この一球で抑えたいという思いが強すぎた」

 この日、山口に対して1打席目は内角のツーシームで詰まらせて三ゴロ、そして2打席目はスライダーで投ゴロと完璧に封じていた。2打席ともに変化球で打ち取り、迎えたのが6回の3打席目だった。

 2球続けて内角高めの直球で空振り。3球目は同コースの直球を、かろうじてファウルにしたかのようなスイングだった。この日の3打席目までの対応を見た捕手・伏見は「差し込まれていた。ちょっと変化球待ちな部分もあったと思う」と読んでいた。

 しかし、誤算は4球目だった。2ストライクから見せ球のスライダーは、はっきりとベース手前でワンバウンド。伏見は「あそこがポイントだったと思う。大きく外れたことで、山口は真っすぐ(待ち)の割合を増やしたと思う」。続くカウント1―2から内角直球をはじき返された。

 「俺のミス。もともと、山口は追い込まれてから、変化球を拾う打者のイメージがあった。2球目までの感じを見て、より変化(球待ち)かなというところで行ったんだけど。多少、中に入ったものの、あそこに投げきるのは難しい。そこも考慮して、今日状態が良かったフォークとか、もう一球スライダーとか選択肢はあった」と、伏見は悔やんだ。

 金村本人は失投と反省したが、伏見は「難しいですよ。あそこに投げきるのは。だったら、投げきりやすい球にしてあげるべきだった。ルーキーにそんなこと(失投と)言わせるのは野暮だから」と、自身のリードを責めた。

 それでも、結果論だ。金村は3回まで完全投球。4回2死から5者連続三振を奪うなど、伏見の好リードが光る場面も多々あった。次戦は中6日でのオリックス戦に登板予定の金村は「やっぱり、焦らないというのはすごく大切だなと思いましたし。周りも見てこないとピッチングも良くならない。次回につなげたい」。まだバッテリーを組んで3戦目。金村―伏見のバッテリーは、この敗戦を必ず次戦の糧とする。(清藤 駿太)

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