エンゼルス・大谷 ハプニング続出 雨で2度中断…ファスナー壊れ…ピッチコム不具合 でも正尚K斬り

[ 2023年4月19日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5ー4レッドソックス ( 2023年4月17日    ボストン )

エンゼルスの大谷
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)が17日(日本時間18日)、敵地・ボストンでのレッドソックス戦に「2番・投手兼DH」で出場。同地で開催されたボストン・マラソンの影響で、午前11時10分開始の予定が雨で56分遅延し、さらに2度の中断もあり2回無安打1失点で無念の降板となった。吉田正尚外野手(29)とのメジャー初対決は空振り三振、打者では2安打しチームの3連敗を止めたが、ハプニング続出の一日になった。

 難コースのマラソンのようだった。球場入りから約9時間30分。フェンウェイ・パーク出発前に、山あり谷ありの長~い一日を大谷はこう振り返った。

 「いい経験になりました。こういう不規則なゲームを経験できたのは今後、もしかしたらあるかもしれないですし、その時の経験にはなるんじゃないかと思います」

 起床は午前6時45分だった。敵地はボストン・マラソン開催日。球場周辺もコースに含まれ、野球ファンが帰る頃に混雑を避けるため試合開始が午前11時10分に早まっていた。だが気温10度の肌寒さの上に、降雨で開始が56分遅れの午後0時6分となった。

 自身の中前打などで4点を先制した後の初回のマウンド。「雨がどうのこうのより、まず(試合開始が)早かった。そこが一番難しかった。まだ(体が)起きていない状態」。四球に2暴投で無死三塁から、遊ゴロで失点した。メジャー初対決となった4番・吉田は、この日最速の98・4マイル(約158・3キロ)で空振り三振。「そこまでプレッシャーのかかる場面ではなかった。こっちのペースで投げられた」と言ったが、アップダウンの激しい展開だった。

 初回の中前打で出塁した際は、ジャンパーを着るのにてこずり、ファスナーを壊した。2回のマウンドでは捕手のサイン伝達機器「ピッチコム」が故障。「オハピーのピッチコムが動いていなかった」とベンチへ大声で叫ぶ場面もあった。2回を無安打1失点も、雨での1時間25分の中断の影響で降板。6回の打席では捕手の投手返球がバットに当たり派手に驚いた。

 「しょうがない。今日はなかなか天候も含めて楽しむというような状況ではなかった」と振り返ったが、チームは3連敗を止めた。試合終了は当初の開始予定時刻から5時間20分後。ボストン・マラソン男子優勝タイムの2時間5分54秒の2倍以上かかった、濃密な一日を無事完走した。(柳原 直之)

 ≪ボストン・マラソン4月第3月曜日に開催≫「ボストン・マラソン」は、1897年4月に初開催された世界最古の市民マラソン大会とされる。毎年4月第3月曜日の「パトリオット・デー(愛国者の日)」に開催。前半は下り坂で、30キロ以降は長い心臓破りの坂が続く。日本人選手は瀬古利彦、川内優輝ら過去8人が優勝。13年はゴール付近で爆弾テロ事件が発生し、途中で打ち切られた。今回は悪天候の中、男子のエバンス・チェベト(ケニア)が2時間5分54秒で2連覇。女子では昨年の北海道マラソン優勝の山口遥(AC・KITA)が2時間44分17秒で48位だった。

 ≪19日からヤンキース3連戦!NY地元紙1面で大谷特集≫レ軍の地元紙ボストン・グローブは、大谷の走塁時の上着に注目。「ルイス・ティアントが75年のワールドシリーズ第1戦では間違いなく着ていたが見慣れない」と伝え、それ以来の“珍事”だとした。また、大谷のフェンウェイ・パークについての「好きな球場。マウンドも投げやすい」との発言に、今オフのFAを念頭に「球団よ、獲得を実現させろ」と猛プッシュ。18日(日本時間19日)からヤンキース3連戦となる、ニューヨークの地元紙ニューズデーも1面で大谷を特集し「ヤ軍とメッツは優勝争いすることで大谷をニューヨークに呼ぶことができる」とした。

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