番長DeNA初の首位 長崎の夜に思い出した守護神の「名将」の言葉…

[ 2023年4月19日 12:10 ]

7回、選手交代を告げベンチに戻る三浦監督(撮影・岡田 丈靖)
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 DeNAは18日、巨人に3試合連続完封勝利。19年以来4年ぶり&1478日ぶりに、首位に浮上した。指揮を執り3年目の三浦政権初の首位だ。

 試合を開催した長崎は、12球団本拠地と取材体制が違う。記者陣も勝利後、場内のヒーローインタビューも聞こえない三塁側ベンチ裏駐車場で、ナインを待った。そして彼らがチームバスに乗り込もうとした瞬間、首位の広島が阪神にサヨナラで敗れ、DeNAの首位浮上が決まった。

 記者は反射的に、4セーブ目をマークした守護神の山崎を探した。ある「言葉」を思い出したからだ。

 昨年8月6日の中日戦。1―0で勝利し、三浦監督が監督通算100勝目を手にした。最大9の借金を返済し、三浦政権では8月以降初の貯金1。締めたのは23セーブ目をマークした山崎だった。

 試合後右腕を取材。すると100勝目について「監督とも一緒に戦ってきた。名将だと思っている。100勝に少しだけ携われて良かった」と笑った。記者は「名将」に鋭く反応できなかった。山崎の記事も小さい。就任初年度最下位の監督に対し、その言葉がぼやけていた。

 そして今季。「佐野1番」「宮崎2番」「捕手ローテーション制」。6勝13敗で11位と沈んだオープン戦から、いろいろ指摘を耳にした。だが長崎の夜、番長はベストの状態に立った。記者はまだ三浦監督が「名将」なのか、わからない。

 駐車場で山崎にぶつけた。

 ――今ちょうど首位に立った。

 「順位は、(今季が)まだ始まったばかりですからね」

 ――以前、康さんは監督のことを名将と言っていた。それを今思い出した。改めて、どんな監督?

 「本当に選手を信じてくれている監督。感謝している」

 記者が「名将」と言ったとき、山崎は小さくうなずいた。

 実績ある守護神が絶大の信頼を寄せ、監督のために腕を振っている。それは間違いなく、三浦監督を首位に押しあげた要因の1つ。 きっとチームの好調が続けば、記者にも多くの思いが頭に浮かんでくる。そしてそのときは、「名将」の言葉に鋭く反応できるようになれると思っている。
 (大木 穂高)
 

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2023年4月19日のニュース