西武・隅田389日ぶり勝った!12連敗で止めるプロ2勝目に目を潤ます 5年ぶり12球団10勝一番乗り

[ 2023年4月19日 21:03 ]

パ・リーグ   西武3―2ソフトバンク ( 2023年4月19日    ベルーナD )

<西・ソ>お立ち台でポーズを決める(左から)若林、隅田、マキノン (撮影・白鳥 佳樹)
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 西武の2年目左腕・隅田知一郎(23)が今季3試合目の先発登板。ソフトバンク打線を相手に6回を98球5安打3四球も1失点の力投を見せ、シーズンをまたいでの球団ワーストとなる連敗を12で止めた。昨年3月26日オリックス戦(ベルーナD)でプロ初登板初先発初勝利を挙げて以来389日ぶりの勝利で、待ちに待ったプロ2勝目。チームは5年ぶりとなる両リーグ10勝一番乗りを決めた。

 マキノン、若林に続き大トリで本拠地のお立ち台に立った隅田の目は涙を堪え潤んでいた。1年以上、ようやく抜けた長いトンネル。ファンからは大きな大きな拍手が贈られると笑顔ながら目は真っ赤に染まった。「どうにかしたかった」と語った23歳は「(プロ)初勝利の時と同じぐらいうれしいです」と爽やかにはにかんだ。昨年3月26日のプロデビュー戦から投げ続け、そして負け続けてきた左腕は「誰にもできない経験ができた」と前を向いた。ここから、西武のエースとしての本当の第一歩を踏み出す。

 4球団競合の2021年ドラフト1位左腕が気迫の投球を見せた。鬼門の初回を2死から走者2人を出すも無失点で切り抜けると、3回までゼロを並べた。

 しかし4回。2死後に中村に中前打を打たれ出塁を許すと、続く増田に初球の直球を狙われ左中間を抜ける同点打を打たれた。

 打線は初回に前日18日に今季初めてスタメンに名を連ねた若林が相手先発右腕・東浜の4球目137キロのカットボールをフルスイング。滞空時間の長い打球はバックスクリーン右に吸い込まれた。先制の今季1号ソロ。2021年の交流戦広島戦(マツダ)で放って以来、約2年ぶりのプロ通算3号となった。同点の4回には1死から中村が中前打で出塁後、マキノンが左翼席に勝ち越しの2号2ランを叩きこんだ。

 2点のリードをもらった5回。隅田は先頭の周東にいきなり四球を与えたが、続く近藤を一飛、柳田を一ゴロ、4番・栗原を中飛に打ち取った。声を上げながらの気迫の投球でクリーンアップをピシャリ。小さく拳を握り締めた。6回のマウンドに上がった隅田は、先頭の牧原大に左翼線を破られる二塁打を許すと、続く今宮は右飛に打ち取るもタッチアップで1死三塁に。それでも、隅田は耐えた。中村を二ゴロに仕留め、本塁を突いた牧原大をアウトに。4回に同点打を打たれた増田を遊ゴロに打ち取り、無死二塁のピンチも得点を許さなかった。

 6回1失点で勝ち投手の権利を持って降板した隅田の後は平井、佐藤隼が無失点リレー。9回は増田が、増田に1号ソロを許すも何とかリードを守り抜いた。隅田が昨年3月26日オリックス戦でプロ初登板初先発初勝利を挙げ最高のデビューを飾って以来389日ぶりとなるプロ2勝目を挙げ、チームは2018年以来5年ぶりとなる両リーグ10勝一番乗り。ソフトバンクとゲーム差なしとなった。

 ▼隅田 今日はとにかく前回登板の反省をしっかり生かして、ゾーン内で勝負しようと思っていました。柘植さんともよく話し合いながら、自分の持ち味であるカーブとチェンジアップをベース板付近に集めるということに集中していました。ホークス打線は左打者が多いというところもしっかり意識して、そのあたりの対策もまずまずできたと思います。

 ▼若林 打ったのはたぶんカットボールです。2ストライクと追い込まれていたので、あの場面は出塁を心掛けていました。その結果、あそこまで飛んでくれて、びっくりしています。もしかしたらスタンドに届くかな、と思って走っていました。隅田が投げていますので、先制点を取ることができて良かったです。このあとの出番でも自分にできることを精いっぱい頑張ります。

 ▼マキノン 前の打席ではファウルが多くて、結果的に打ち取られてしまったけど、この打席ではアジャストしてフェアゾーンに飛ばすことができたよ。同点の場面で、流れがどちらのチームに行くか分からない中でチームにとっても大きなホームランが打てて良かったよ!

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