広島・新井監督 初サヨナラ負けも執念采配に応えた打線は光明「点を取るんだという気迫が伝わった」

[ 2023年4月19日 05:03 ]

セ・リーグ   広島1-2阪神 ( 2023年4月18日    甲子園 )

9回 逆転サヨナラ負けをきっした栗林(左)をねぎらう新井監督(撮影・成瀬 徹)
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 広島・新井貴浩監督(46)は執念の采配が実らず、白星目前で暗転した。18日の阪神戦は1―2で就任後初のサヨナラ敗戦。9回に今季初の犠打を絡めてライアン・マクブルーム内野手(31)の左翼線二塁打で均衡を破りながら、守護神・栗林良吏投手(26)が逃げ切りに失敗した。3連勝で止まって首位から陥落し、3位タイに後退した。

 前進守備から左中間方向へ背走し、懸命にグラブを出した西川のわずか頭上を中野の打球は越えた。1―0の9回2死満塁。左翼スタンドに陣取る赤ヘル党から悲鳴が漏れる。4日の阪神戦以来、今季2敗目を喫した栗林は唇をかみしめた。

 「ほんとに悔しい結果。チームに申し訳ない気持ちが強い。阪神にやられるのは2回目だし、今日はやり返したいと思ったけど、うまくいかなかった…」

 しびれる僅少差での救援。1死から梅野に宝刀のはずのフォークを右前へ運ばれ、木浪に初球を右翼線二塁打されてピンチは拡大した。2死後、カウント3―1から近本を申告敬遠し、WBCの侍ジャパンで同僚だった左打者にも9球目のフォークを捉えられた。

 「落ちが悪いのか。先頭打者からずっと空振りが取れていなかった。自分の中でしっかり修正できなかったのが、最後ああいう形になったのかな…と」

 直前に虎の子の1点を挙げていた。8回まで二塁さえ踏めずに迎えた9回。左前打の菊池を無死一塁に置き、下半身のコンディション不良から3試合ぶりに復帰した野間が投前バントを決めた。開幕から14試合目でマークしたチーム初犠打などで2死三塁とし、マクブルームの一打で均衡を破った。しかし…。

 「栗林も打たれることはあるんでね。ウチのクローザーだから、次も信頼して送り出したい。それだけ」

 新井監督は淡々とした口調で栗林への信頼を改めて強調する。9回の攻撃を振り返った際には、先発で7回を零封した九里にも言及し、ねぎらった。

 「(西勇は)全ての球種が低めにコントロールされ、本当のワンチャンスをね。点を取るんだという気迫が伝わった。九里も気持ちのこもったナイスピッチングだったんで、次に彼が登板する時は勝ちを付けてあげたい」

 指揮官として帰って来た甲子園で執念の采配は実らず、手中にしかけた白星はスルリと逃げた。連勝は3でストップし、首位からも陥落。きょう19日の第2ラウンドでリベンジあるのみだ。

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