「何度も野球をやめようと思った」 JFE西日本の苦労人・綿屋が決勝弾で優勝に導く

[ 2023年4月19日 04:30 ]

社会人野球JABA岡山大会   JFE西日本3―0JR東海 ( 2023年4月18日    倉敷マスカットスタジアム )

<JFE西日本・JR東海>優勝を決めてマウンドに集まるJFE西日本ナイン(撮影・河合 洋介)
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 JFE西日本が3大会ぶり3度目の優勝を果たした。決勝でJR東海に3―0で快勝。5大会連続16度目となる日本選手権(11月3~19日の12日間)の出場権を獲得した。MVPには、同戦で8回に決勝のソロ本塁打を放った綿屋樹内野手(24=JFE西日本)が選ばれた。

 JFE西日本の4番・綿屋は、これまでの苦労をひと振りに込めた。「本塁打でしか点の入らない展開。4番の仕事をしようと思っていました」。両軍無得点の8回1死無走者、カウント1―1から真ん中に入ったチェンジアップを逃さなかった。完璧に捉えた打球は右翼席へ。優勝を決める決勝弾となった。

 高校通算25本塁打以上の左の大砲として、鹿児島実から入社して7年目。昨年にレギュラーをつかんだ苦労人だ。声出し要員としてベンチを温める日々に「何度も野球をやめようと思った」。退社すれば、母校の後輩が入社できなくなると踏みとどまった。「とにかく振り続けるしかなかった」。一人で黙々とマシン打撃と向き合い、4番を担うまでに成長した。

 日本ハムに19年ドラフト1位で入団した河野竜生と同期入社。その直球を見た時に、プロ野球選手になる夢は諦めた。「河野を見て、この会社でやっていくしかないと思った。今があるのは、我慢して使っていただいたからです」。入社からの苦しんだ日々は、決勝弾となって報われた。(河合 洋介)

《完封勝利の藤原「落ち着いて投げられた」》
 JFE西日本の最速151キロ右腕・藤原拓実が完封勝利を挙げた。「緊張せずに落ち着いて投げられた。一人一人抑えようと思った結果、最後まで投げられました」。3者凡退は3回の1イニングのみ。5安打7四球を与えながら、要所を締めた。課題だった制球力を改善しようと、3年前の入社4年目から横手投げに変更。その決断が実を結び、「投手陣の軸になりたいと思っていた。自信になりました」と胸を張った。

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2023年4月19日のニュース