ヤクルト・石川が交流戦単独最多の27勝 10日ソフトに勝ち阪神が引き分け以下なら優勝決定

[ 2022年6月10日 05:30 ]

交流戦   ヤクルト2ー1オリックス ( 2022年6月9日    京セラD )

<オ・ヤ>ヒーローとなり、客席のファンにあいさつをするヤクルト・石川(撮影・岸 良祐)
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 プロ入り時から謙虚な姿勢は変わらない。ヤクルト・石川が交流戦単独最多となる27勝目。敵地でのヒーローインタビューで42歳のベテランは「本当にたくさん投げさせてもらい、その分、たくさん負けている。何とかこの交流戦で一つ勝つことができてよかったです」と控えめに喜んだ。

 昨季の日本シリーズ以来となるオリックス戦登板。第4戦で6回1失点でシリーズ初勝利を挙げた熟練の投球術を再現した。19歳の内山壮との「23歳差バッテリー」で走者を出しても粘る。直球の最速は135キロも多彩な変化球をコーナーに投げ分けた。対戦機会が少なく、リーグ戦と比べ相手のデータが少ない交流戦。肌感覚での対応が白星を積み上げている一因だ。5回2死二塁では中川圭の打ち気を察知し、全て変化球。4球目の124キロシンカーを外角低めに制球させて空振り三振を奪った。5回5安打1失点。リリーフ陣に後を託した。

 現役最多の勝ち星も180まで積み上げた。プロ21年目。あくなき探究心が活躍を支える。年齢は関係ない。1年目から知る石井投手コーチも「若い子の引き出しから学ぼうとする。永遠の野球小僧」と言う。開幕直前には当時20歳の奥川に自ら「キャッチボールをやろう」と声をかけ、球筋などを見て自らに取り入れるところはないか模索。左腕は「凄く勉強になった。楽しかった」と振り返る。

 球団新記録の8カード連続勝ち越し。きょう10日にも18年以来4年ぶり2度目の交流戦優勝が決まる。高津監督は石川について「言葉はおかしいけど、燃えて、冷静にマウンドに立つ姿はなかなかできることじゃない」と独特の表現で評した。

 「投げる試合は全部、勝ちたいし、それがチームのためにもなる」と石川。身長1メートル67の「大投手」は、まだまだ勝ち星を重ねる。(青森 正宣)

 ≪3チームの優勝争いに≫交流戦の優勝争いはヤクルト、阪神、ソフトバンクの上位3チームに絞られた。10日にヤクルトがソフトバンクに勝ち、阪神がオリックスに敗れるか引き分けるとヤクルトの4年ぶり2度目の優勝が決まる。

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2022年6月10日のニュース