東北に「ダル2世」の新怪物候補 投打で花巻東を圧倒!ドラフト候補に急浮上 スカウト「まだまだ伸びる」

[ 2022年6月10日 05:30 ]

春季高校野球 東北大会 準々決勝   東北3-1花巻東 ( 2022年6月9日    福島県営あづま )

<花巻東・東北>6回、東北・伊藤の前に三振に倒れる花巻東・佐々木(撮影・光山 貴大)
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 東北に新たな怪物候補が出現した。東北(宮城)の二刀流右腕・伊藤千浩(かずひろ)投手(3年)が、東北大会準々決勝の花巻東(岩手)戦で投げては救援で4回を完全投球、打っては3安打1打点の活躍で、昨秋の東北大会王者を3―1で下した。高校通算69本塁打の佐々木麟太郎内野手(2年)を2打数無安打に封じ、スカウト評価は急上昇した。

 胸の「TOHOKU」の文字が力強く輝いた。伊藤は1点リードの6回無死二塁で、左翼からマウンドへ走った。1人目を打ち取り、1死三塁では花巻東の3番・佐々木と対した。外角高め直球で空振り三振。勢いに乗った1メートル87の長身右腕は、最後まで一人の走者も許さなかった。

 「夏に向けての自信につながる。気持ちの入った真っすぐが良かったと思います」

 エンゼルス・大谷の高校時代と同じく、エースと4番を担う大型二刀流。投打にわたる活躍で昨秋の東北大会優勝校を沈めた。真上から投じる角度のある直球を軸に3奪三振。OBで憧れるダルビッシュのように常時セットポジションから、自己最速まで1キロに迫る141キロを計測した。高校通算18本塁打を誇る右打者は、8回に3点目となる左前打を放つなど3安打1打点。バットも火を噴き「甘いボールを一球で仕留められた」と笑った。

 高校では昨秋から本格的に投手を始めたばかりのダイヤの原石。視察した日本ハム・白井康勝スカウトは「球速はまだまだ伸びる可能性がある。(投打の)両方を頑張ってほしい」と期待を込めた。試合後にプロ志望を明言した伊藤は「このまま乗りに乗って優勝して、夏の甲子園へ全力疾走したい」。ダルビッシュが4度も経験した聖地初出場を狙う。(柳内 遼平)

 ◇伊藤 千浩(いとう・かずひろ)2004年(平16)6月23日生まれ、宮城県利府町出身の17歳。菅谷台小2年時に「利府西スポーツ少年団」で野球を始め、利府西中では軟式野球部に所属。東北では1年秋からベンチ入りし、今春から背番号1。3学年上の兄・康人さんも同校でプレー。50メートル走6秒2。遠投100メートル。1メートル87、83キロ。右投げ右打ち。

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