巨人・坂本、復帰初戦でいきなり広角3安打!40日ぶり1軍「5番・遊撃」先発で連敗ストップ立役者

[ 2022年6月10日 05:30 ]

交流戦   巨人4ー3西武 ( 2022年6月9日    ベルーナD )

<西・巨>3回、先制の適時打を放ち、ベンチに戻りナインに出迎えられる坂本(右)(撮影・久冨木 修)
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 頼れる主将が帰ってきた!右膝を痛めて戦列を離れていた巨人の坂本勇人内野手(33)が9日、西武戦で40日ぶりに1軍に復帰して「5番・遊撃」で先発出場。3回2死一、二塁で左前に先制打を放つなど、いきなり3安打をマークしてチームの連敗を3で止めた。エースの菅野智之投手(32)が発熱で先発登板を回避した試合で活躍。交流戦は下位に低迷しているが、リーグ首位のヤクルトを必死に追う。

 首脳陣、選手、ファン、誰もが感じただろう。巨人における背番号「6」の存在の大きさを。3回、自らの復帰を祝う適時打を放った坂本は頭上で両手を叩いて喜びを表現。「1軍復帰戦で先制打を打てて良かった。なんとか結果が出て良かった。それだけです、本当に」と感慨に浸った。

 守備中に右膝内側側副じん帯を損傷した4月30日の阪神戦以来、40日ぶりの1軍復帰で2回の1打席目で右前打。これでリズムに乗った。3回2死一、二塁で隅田の低めチェンジアップに食らいつき先制の左前適時打。5回は中前打を放ち、広角に3本を打ち分けた。通算174回目の猛打賞で同じ遊撃の名選手だった中日・立浪監督にリーチをかけた。

 この日に先発予定だった菅野が発熱で登板を回避し、出場選手登録も外れた。チームは前日の同戦で対戦が少ない下手投げの先発・与座ら鉄壁リレーの前にわずか1安打で「27人斬り」の屈辱も味わっていた。そんな苦況で帰ってきた主将は「チームが戦っている中でいろいろなことがある。今日はカバーできて良かった」と胸を張る。脇腹の故障で出遅れた今季、初出場で4安打した開幕3戦目(3月27日、中日戦)の再現のような活躍ぶりで、チームを救った。

 地道なリハビリ期間も1軍戦は欠かさずチェックした。不在中に沖縄でともに自主トレを行った増田陸が活躍。高卒2年目まで自身がつけた背番号61を現在背負う21歳からは、変化球の待ち方など電話で相談されて助言を送った。2軍生活は朝が早いが、夜遅い着信にも快く応じるなどチームを後方支援。後輩が自身のリストバンドや打撃用手袋をつけて躍動する姿に「やっぱり1軍でプレーしないとダメだな」と闘志を燃やし、復帰へのエネルギーに変えていた。

 連敗を3で止めた原監督は坂本について「存在感を見せてくれて、いいスタートを切ってくれた」と笑顔。「チームが落ち着くか?」との問いには「それはそうでしょうね」と大きく目を見開いた。すでに交流戦Vの可能性はないが、最終目標は2年ぶりの覇権奪回。頼れる主将はファンを待たせた分だけ、グラウンドで暴れ回る。(花里 雄太)

 ≪立浪にあと1≫坂本(巨)が先制の適時安打を含む3安打。今季猛打賞は3度目で、通算174度目。歴代7位の立浪和義(中=175度)にあと1度に迫った。また、交流戦は通算294安打。歴代最多は鳥谷敬(ロ)の333安打だが、球団最多の阿部慎之助の297安打まであと3本になった。今季坂本が2安打以上したのは9度目になるが、チームはその試合に7勝2敗(勝率.778)と好成績。

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2022年6月10日のニュース