楽天・岸が12球団勝利達成 過去11戦0勝8敗“天敵”広島から白星「やっとですね」

[ 2022年6月10日 05:30 ]

交流戦   楽天4―1広島 ( 2022年6月9日    楽天生命 )

<楽・広>NPB全球団勝利を達成しポーズを決める岸(撮影・白鳥 佳樹)
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 絶対に勝つ。今回こそ、広島に。強く心に期してマウンドに上がった楽天・岸。勝利への執念が2点リードの7回2死満塁のピンチでピークに達した。

 「ここで同点になったら…。あと何年後に対戦できるか分からない。対戦せずに終わってしまう可能性もある。何としても抑える」

 中村奨への1ボール2ストライクからの4球目。「ここぞで一番最高のボールを投げ込めた」と自賛する144キロの内角直球で見逃し三振に仕留めると、クールな男が右手でグラブを叩いて感情をあらわにした。

 7回6安打無失点で今季5勝目。史上19人目となる12球団勝利を達成した。「やっとですね」。これが偽らざる本音だ。広島戦は西武時代の08年の初対戦以降、過去11試合で0勝8敗。苦手意識とまではいかないが「自分の中で嫌な打者が多いチームだなというのはあった」と明かす。

 移籍1年目の17年5月7日の西武戦で白星を挙げ、12球団勝利に王手をかけた。同年6月11日の広島戦は7回2失点で勝敗つかず。19年6月16日の同戦は7回3失点で黒星を喫した。三度目の正直。普段はチームの勝利を最優先に考える男が、珍しく個人の勝利にこだわって腕を振った。

 「いつも以上に自分が勝ちたいという気持ちはあった。やっぱり勝てないか、と思われなくてよかった」

 プロ16年目で手にした勲章の喜びと同時に、チームを4カードぶりの勝ち越しに導くことができた充実感にも浸った。通算146勝目。長いキャリアの中でも忘れられない一勝になった。(重光 晋太郎)

 《19年金子以来19人目》岸(楽)が広島戦に初勝利、現12球団から勝利をマークした。セ、パ12球団となった58年以降に全球団勝利は19年4月18日オリックス戦の金子(日)以来19人目。楽天在籍時の達成は岸が初めて。また、パ2球団のみの在籍で全球団勝利は涌井(西→ロ)、前記金子(オ→日)に次いで3人目だ。

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2022年6月10日のニュース