“ミラクル佛教”再び! うなだれたエース山本のためにナイン奮起でサヨナラ勝ち 明大への雪辱にも成功

[ 2022年6月10日 06:00 ]

第71回全日本大学野球選手権 準々決勝   佛教大3-2明大 ( 2022年6月9日    神宮 )

全日本大学野球選手権<佛教大・明大>タイブレークの延長10回、敵失でサヨナラ勝ちし、七條(右)ら歓喜の佛教大ナイン(撮影・木村 揚輔)
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 準々決勝4試合が行われ、佛教大は明大に延長10回タイブレークでサヨナラ勝ちし、3年ぶりの4強入りを決めた。先発右腕の山本奨人が8回2/3を2失点と好投。19年決勝で敗れた因縁の強敵にリベンジを果たした。11日に準決勝2試合が行われる。

 3年前のミラクル再び!佛教大が難敵に競り勝った。2点リードの9回に追いつかれたが、タイブレークの延長10回無死一、二塁で投手への犠打が悪送球を誘い劇勝を収めた。

 立役者は先発・山本だ。7日の1回戦・東海大戦では7回2死まで完全投球だった右腕は、この日も8回までゼロを並べた。直球は最速140キロどまりながら、得意のツーシームを打者の手元で動かし、相手打線に凡打の山を築かせた。勝利目前の9回に2点を失ったが、試合をつくった。

 「自分の方が(明大打線より)格下。楽しんで、胸を借りる気持ちで投げました」

 降板直後はうなだれていたが、チームメートから「サヨナラで決めてやる」とねぎらわれて前を向いた。勝利の瞬間は思わず目をうるませた。趣味のゴルフに出かける際には、運転する車で100キロ近く遠回りし、友人を1人ずつピックアップする気遣いの男。だからナインも「奨人のために」と奮起する。同級生の久本龍哉マネジャーは「あいつを悪く言う人を聞いたことがない」と目を細めた。

 準優勝と躍進した3年前は、準々決勝で東北福祉大にサヨナラ勝ちを収めて“ミラクル佛教”と称された。同じ8強で明大へのリベンジを果たした今年、勢いはそれ以上かもしれない。あと2勝に迫った頂点へ、快進撃を続ける。 (北野 将市)

 ▽19年決勝 明大―佛教大VTR 佛教大は3回に3点を先行される苦しい展開。その後は両校ともにゼロ行進が続いたが、9回にダメ押しの3点を奪われ、力尽きた。打線は明大先発の森下暢仁(現広島)から9回に1点を返すのが精いっぱい。1失点完投を許し、悲願の初優勝には一歩届かなかった。

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2022年6月10日のニュース