広島、今季初の借金生活 10安打も打線つながらず 球団ワースト16戦本塁打0まであと「1」

[ 2022年6月10日 05:00 ]

交流戦   広島1-4楽天 ( 2022年6月9日    楽天生命 )

<楽・広>8回、選手交代を告げる佐々岡監督(撮影・白鳥 佳樹)
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 広島は9日の楽天戦で2連敗に沈み、今季初の借金生活に突入した。9回の1得点で2日連続の零敗を阻止するのが精いっぱい。交流戦15試合0本塁打で長打力が乏しい中、進塁打も欠くなど緻密な攻撃も見せられなかった。交流戦は4勝11敗の大失速のまま、10日から最後の西武3連戦を迎える。

 20イニングぶりの得点は効果的な1点とは言えなかった。0―4の9回1死一、三塁。長野が中前適時打で挙げた33日ぶりの打点は零敗阻止に貢献したのみ。佐々岡監督は、重苦しい雰囲気を振り払う好機は序盤にあったと悔やんだ。

 「今はなかなか(打線が)つながっていかない。最初の2回(3、5回のチャンス)のところでしょうね。積極的に打つのはいいけど、打つ球を絞れば…というところだった」

 「打つ球を絞れば」と振り返ったのは、好機で岸の緩急に惑わされたからだ。3回先頭の堂林が左翼線への二塁打を放って出塁。「8番左翼」で9試合ぶりに先発した長野には、首脳陣から進塁打のサインが出ていた。しかし、初球のチェンジアップを引っかけた三ゴロで走者を進められない。続く中村奨に右前打が出ても一、三塁止まり。野間も初球のチェンジアップを打たされた一飛凡退で、先制点につなげられなかった。

 交流戦打率・216、26得点は12球団最下位。打線の極度の不振は、好機での重圧に変わっている。朝山打撃コーチは「(長野の)ライト側に体が入っていたけど、遅い球にヘッドが返ってしまったように見えた。(野間は)低く強い打球を打とうとして余計に…。空回りしているところもあると思う」と選手の心境を代弁した。

 15試合連続0本塁打は52年に並ぶ球団史上2番目まで伸び、球団ワーストである54年の16試合が目前に迫ってきた。長打が期待できない以上、進塁打の重要性が高まる中、0―2の5回無死一塁でも堂林が三ゴロ。3安打した4打席で唯一の凡退だから余計に歯がゆい。2死無走者から満塁まで好機を広げた7回も中村奨が見逃し三振に終わり、持ち前の積極性が消えた。

 交流戦前までに蓄えた貯金6は全て使い果たし、今季初の借金1を抱えることとなった。指揮官は「結果をしっかりと受け止めて、残り3試合を頑張ります」と言い残した。目新しい打開策が見つからないまま、交流戦最後の3連戦に向かう。(河合 洋介)

 【データ】広島は5月22日中日戦6回、堂林のソロを最後に交流戦開幕から15試合で本塁打なし。チームでは54年4月21日から5月13日にかけて最長の16試合を記録して以来68年ぶりで、52年5月21日から6月25日までに並ぶ2番目の長さになった。なお交流戦のチーム本塁打最少記録は16年阪神の3本。0本で終えれば史上初になる。また、今季交流戦4勝11敗で、交流戦初年度の05年から通算156勝216敗15分けの勝率・419。今季8勝目のDeNAに156勝(220敗11分け、勝率・415)で並ばれ、交流戦通算勝利数で最少タイになった。10、11日に広島連敗、DeNA連勝なら通算勝率も12球団最低になる。

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2022年6月10日のニュース