阪神・佐藤輝 呪縛解いたG戦初アーチ&セ界制覇弾!課題のフルカウントで一発も「勝たないと意味ない」

[ 2021年6月20日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2ー6巨人 ( 2021年6月19日    甲子園 )

<神・巨(11)>6回、佐藤輝が右中間に本塁打を放つ(投手・戸郷)(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 阪神の佐藤輝明内野手(22)が19日の巨人戦で17号ソロを放ち、セ・リーグ全球団から本塁打を記録した。球団新人では5人目だが6月終了までの達成は69年田淵幸一以来、2人目となった。チームの連勝は7でストップしたが、宿敵相手に呪縛を解いた怪物ルーキーが、20日は勝利に導くアーチを甲子園にかけてくれるはずだ。

 頭にインプットしたスライダーに3度も続けてやられるわけにはいかなかった。2点を追う6回2死、佐藤輝がフルカウントから戸郷の外寄りスライダーを強振した一撃は右中間スタンドまで届いた。巨人戦は11試合、44打席目で待望の初アーチ。球団新人5人目の「セ界制覇弾」で、また一つ、新たな歴史を刻んだ。

 「負けていたので最低でも塁に出て、強い当たりを(打とう)と思っていた。(前の2打席は)変化球で打ち取られていたので変化球を頭に入れながら(打席で)考えていました」

 戸郷とは初対戦。初回1死一、三塁では真っすぐ2球で追い込まれスライダーで3球三振。4回先頭ではフォークの後のスライダーで二ゴロに終わっていた。3打席目はカウント3―1からこの日最速の150キロ速球が外角に決まりフルカウント。四球も視野に甘いところに来ないことも想定していた。

 17本塁打中、2ストライク以降を仕留めたのは9本目。フルカウントでは18打数3安打で11三振と振るわなかったが、やっと一発が出た。矢野監督も「もっともっとレベルが上がっていってほしい打者。いいところと課題が日々の中で出てくる。これからどうするかで(成長が)見えてくる」とさらなる進化を求められた。

 宿敵にやっと一発をお見舞いしたが、チームの連勝は7で止まった。20日は父の日。父・博信さん=写真=には少年時代から練習のサポートを受け、プロ入りした現在も自身の打撃フォーム分析のための動画を送ってもらっている。それだけに2試合連続、しかも勝利に直結するアーチで感謝を伝えたいところだろう。
 「勝たないと意味がない。次は勝ちにつながるように打てたら。変わらず強いスイングをして、明日しっかり勝ち越せるように」

 “呪縛”を自らのバットで解いた。05年以来のリーグ制覇へ絶対に倒さないといけない相手。佐藤輝が、その打棒で再進撃の道を開く。(長谷川 凡記)

 《セ新人歴代最多103打点ペース》佐藤輝(神)はこの日の17号ソロでシーズン45打点目。チーム新人選手では80年岡田彰布の54打点に次ぐ単独6位となった。シーズン143試合では103打点ペースで、新人選手プロ野球記録の49年大岡虎雄(大映)111打点に次ぐ2番目の数字。セ・リーグ最多の58年長嶋茂雄(巨)92打点を上回る勢いだ。

続きを表示

この記事のフォト

2021年6月20日のニュース