MLB担当記者が見た大谷の可能性 本塁打競争参戦に期待

[ 2021年6月20日 02:30 ]

<エンゼルス・タイガース>本塁打を放つエンゼルス・大谷(AP)
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 ≪“なじみの打撃投手”で従来のスイング期待≫大谷が日本ハム時代に出場した16、17年の本塁打競争を現場で取材した。特に印象的だったのが16年の第1戦の決勝戦。ソフトバンク・柳田と対戦し、あと1死で敗戦という土壇場からの2連発で初出場初優勝を決めた。

 なじみの打撃投手を打てるかは日米の本塁打競争の違いの一つだ。例えばこの初優勝時はソフトバンク・戸部浩打撃投手に依頼。当時、大谷は「打ったことのない打撃投手だったので難しかった」と語ったが、持ち前の修正能力で徐々に対応していった。今回、打撃投手を務めるのはエ軍のジェーソン・ブラウン・ブルペン捕手。日頃から打ち慣れている球に対し、スタートから普段通りのスイングが期待できるだろう。

 ちなみに18年のハーパー(現フィリーズ)は父・ロンさんを打撃投手に指名し、初優勝を飾った。勝手な希望を言わせてもらえば少年時代に監督、コーチとして野球を教わった父・徹さんとの「親子タッグ」も将来的に見てみたい。相性はきっと抜群だろう。(14~17年日本ハム担当、18年~MLB担当・柳原 直之)


 ≪「芯で捉える技術」は出場後の不振とは無縁≫マリナーズのイチローは現役時代、フリー打撃で9割近くの打球が柵越えだった。大リーグ機構(MLB)も00年代は毎年のように本塁打競争の出場を打診し、08年に出場を一度は決意。だが球宴直前の試合の走塁で左手薬指を負傷し、出場を断念した過去がある。

 イチローと大谷。タイプは違えど本塁打を打つ技術は同じ。パワーで劣るイチローはボールの下半分にバットを入れる技術に秀でていた。一方、大谷はボールの芯を確実に打ち抜く。「逆方向のスピンの利いた打球より芯で捉えた打球の方が飛ぶ」。本来は逆方向への強い打球が持ち味だが、今季は21本塁打中、中堅から右方向が19本。狙い澄ました一発が目立つ。ボールを捉えるポイントこそ異なるが、ともに寸分狂わずに仕留める「ハンド・アイ・コーディネーション」(手と目の連携動作)が優れている。

 体重を後ろに残して、しっかりとバットのヘッドを走らせる。危惧されている本塁打競争出場後の不振とは無縁の技術だとみている。(MLB担当・笹田幸嗣通信員)

 ≪日本ハム・栗山監督も期待≫恩師の日本ハム・栗山監督は大谷が日本選手で初めてメジャーの本塁打競争に出場することが決まり「技術はもちろんあるし、あの飛距離は普通に(メジャーでも)勝負できると思っていた。年齢的にも身体的にも一番いい世代に入ってきている」と期待。制限時間の中で本数を争うだけに「最後、勝ちきるには体力勝負」と予想していた。

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