“公立の星”刈谷・遠藤 最速150キロ直球武器に甲子園1勝狙う 「行くことが目的じゃなく1勝が目標」

[ 2021年6月20日 05:30 ]

高校野球地方大会逸材ファイル(1)

プロも注目する刈谷の剛腕・遠藤泰介
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 第103回全国高校野球選手権大会(8月9日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会は、今月27日の南北海道大会からスタートする。スポニチでは2年ぶりに開催される夏の甲子園大会を目指す各地の注目選手を「逸材ファイル」と題し、随時、紹介する。

 国立の名古屋大合格者数トップ(20年度)を誇る愛知県内屈指の進学校にプロも注視する剛腕がいる。刈谷の遠藤は5月上旬の東邦との練習試合で自己最速を更新する150キロを計測。中京大中京など私学全盛の中、78年春以来、夏は初の甲子園出場を狙う。

 「甲子園での1勝が目標。行くことが目的じゃなく、1勝を目的にしないと出られないと思っています」

 3月中旬に転機が訪れた。某大学の練習会に参加した際、中京大中京の畔柳亨丞とキャッチボールする機会に恵まれた。「顔に当たるかと思うぐらい、伸びがすごかった。こういう人がプロに行くんだと」。リリース時にボールをたたく感覚を教わると、2カ月後に大台に到達した。

 高校1年秋に書いた、愛知県碧南市の自宅自室に貼ってある目標達成シート。2年夏に145キロ、3年夏に150キロ――など次々と項目をクリアし、残るは「甲子園1勝」だけに。昨年までは重度の花粉症に悩まされていたが、症状が改善。メガネからコンタクトレンズに変更し、視界もさらに開けた。

 刈谷は18年夏の愛知大会で4強入り。遠藤も1年夏から登板し経験を積んできた。今年の春季大会では3回戦で愛工大名電と1―2の接戦を演じている。瑞陵との1回戦が決まり5回戦で中京大中京と対戦する可能性もある。「将来的にはプロ野球選手になりたい」と夢を描く「公立の星」が高校最後となる特別な夏に挑む。(北野 将市)

 ◇遠藤 泰介(えんどう・たいすけ)2003年(平15)7月29日生まれ、愛知県碧南市出身の17歳。新川小1年から新川ペガサスで野球を始める。新川中では軟式野球部に所属。刈谷では1年夏から背番号16でベンチ入りし2年秋からエース。遠投120メートル、50メートル走6秒2。1メートル79、76キロ。右投げ右打ち。

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