鈴木啓示氏 制球力抜群の阪神・秋山 6回は気持ちのコントロールが難しかったか

[ 2021年6月20日 20:54 ]

セ・リーグ   阪神1ー2巨人 ( 2021年6月20日    甲子園 )

鈴木啓示氏
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 5回まで1安打無失点と好投した阪神・秋山は6回に松原に2ランを浴び、結果的に敗戦投手となった。この日も立ち上がりから持ち味の制球力を発揮して巨人打線に凡打の山を築かせたが、あの回は気持ちのコントロールが難しかったのではないかと見る。 一球速報

 自身の経験から言うと、投手というのは相手打者との勝負は当然のことながら、投げ合っている相手投手にも負けたくないという思いが生じるものだ。この日の両軍先発である阪神・秋山と巨人・高橋にしても、しかりだろう。今季3度目の投げ合いで、試合前時点の勝敗は秋山2敗、高橋2勝。お互いに、相手投手よりも先に降板したくないという思いがあったはずだ。

 そして5回までの投球内容は、秋山の方が上だった。さらに高橋の方が先に代打を送られマウンドを下りた。その時点で、先発投手同士の対決に限れば秋山は「勝った」という思いを持ったことだろう。ただ、そう思って勝利へ向けて加速する場合と、そうならない場合がある。

 そしてこの試合は、そうならなかった。秋山は6回1死一塁で松原に2ランを被弾。小力があるとはいえ、丸でも岡本和でも坂本でもなく、上記した主軸に比べれば本塁打の危険性が低いはずの松原に一発を浴びた。「高橋に投げ勝った」と思ったことで気持ちに少しエアポケットが生じ、そのタイミングで打たれたように感じた。

 相手打者、相手投手に加え、味方野手や首脳陣とも信頼を勝ち取るために「勝負」している投手には、気持ちのコントロールが求められる。「勝負」の中で少しでも色気や緩みが出ると、気持ちにエアポケットが生じてしまう。この日の秋山には少々、その気配が見受けられた。(スポーツニッポン評論家)

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