阪神・井上の打球に夢を見た! 履正社先輩たちにバットであいさつ 母も成長に感謝

[ 2020年10月19日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6-5ヤクルト ( 2020年10月18日    甲子園 )

<神・ヤ(20)> 7回2死一塁、井上は寺島から左翼への大飛球を放つもアウトとなる (撮影・後藤 大輝)
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 甲子園でプレーする姿が、映える。阪神のドラフト2位・井上広大外野手(19)が、18日のヤクルト戦で7回2死一塁から代打で登場。履正社の3年先輩である寺島に左飛に打ち取られたが、登場するだけで、打球が上がっただけで、この日最大級の歓声だった。リーグ優勝が絶望的ないま、虎ファンの一番の希望は背番号32の成長だ。

 ベンチから身を乗り出して声を枯らせてきた井上に、ついにその時がやってきた。6―4の7回2死一塁。グラウンドに未来の4番候補が飛び出すと虎党から割れんばかりの大歓声。場内アナウンスがその名を告げると、1万7461人はお目当ての登場に心を躍らせた。

 マウンドには履正社の3年先輩にあたる寺島。この日は8回に代打で登場した尊敬する山田哲をはじめ、「6番・二塁」で先発した宮本や6回に代打した中山ら、履正社OBがズラリ。敵軍からのニラみつけるような“上から目線”にも、もちろんひるむわけにはいかない。

 初球チェンジアップを見逃した2球目、真ん中高めカットボールをやや差し込まれながらもバットの芯で捉えた……ように見えた。いい角度で上がった打球に、矢野監督も「『行った!』とガッツポーズしかけた」――。後退した左翼・青木のグラブに収まったが、甲子園にいる全員がワクワクした、一瞬熱くなったシーンだった。

 16日の同戦に代打で右中間を破るプロ初安打。お立ち台で活躍を報告したい相手を問われ広大は、「お母さんです」と即答。その夜、母・貴美さんに電話して、開口一番「今日打ったよ」――。貴美さんは「知ってるよ」――。短いやり取りだったが、感謝の気持ちはそれだけでも十分に伝わった。9月23日の貴美さんの誕生日には、広大から「おめでとう」の連絡があったという。

 「今まではそんなことなかったんです。普段も用事があるときだけ電話をしてくるという感じ。タイガースさんが息子を成長させてくださった」

 矢野監督もまるで息子のように、19歳を見守っている。「みんな本塁打を期待しているんでね。そういう期待を持てるのはプロの中では大事なこと。ファンもどんどん楽しみにしてもらって、成長していってくれたら」

 18歳の夏、ここで高校日本一になった。19歳の秋、プロ初安打を放ち、ファンの前で「阪神タイガースを日本一に導けるように頑張る…」と誓った。1985年の日本一にはバース、掛布、岡田がいた。03年、05年のリーグ優勝には金本、矢野、今岡、赤星…がいた。甲子園で大きく育った井上が近い将来、虎党の夢を実現させる男になっている。 (田中 想乃)

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