岩隈の脳裏に今も鮮明に残る楽天球団初勝利 「あのときの…」

[ 2020年10月19日 19:30 ]

2005年3月26日のロッテ戦で9回1失点の完投で球団初勝利w挙げた先発の岩隈(右)とガッチリ握手を交わす楽天の田尾安志監督。(撮影:三島英忠)
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 今季限りでの現役引退が発表された巨人・岩隈。「精密機械」と称された唯一無二のコントロールを武器に、日米で積み上げた勝利数は170にも上る。以前、その右腕に聞いたことがある。「印象深い白星ってどの試合?」。その数の多さから少し悩んだが、右腕が口にしたのは、2005年3月26日に記録した「1勝」だった。

 それは日本球界にとってもメモリアルな白星。その日は同年の開幕戦だ。つまり、50年ぶりに新規参入を決めた楽天の公式戦初戦だった。相手はロッテ。場所はマリンスタジアム。チームは3―1で勝利した。立役者は言うまでもなく岩隈。開幕投手として9回を投げ、5安打1失点で完投勝利をマークした。

 2004年11月2日のオーナー会議で新規参入が正式承認されたばかり。分配ドラフトや他球団を自由契約で加入した選手が多く、当時の楽天は「寄せ集め」と揶揄(やゆ)され「100敗する」と言われていた。岩隈は試合後「ただの1勝とは違う。応援してくれた仙台の人に、この勝利を伝えたい」と話している。

 当時を回想し「あのときの雰囲気は独特だったよね。緊張とか興奮とは違って。異様な感じ。とにかく絶対に負けられない。それしかなかった」と熱っぽく語った。前年オフには近鉄への愛着から「新しい球団、新しい気持ちでやりたい」と純粋な思いを貫き、新球団へ。エースとしての期待を一身に背負った一つの勝利だった。

 翌日の楽天は0―26と歴史的な敗戦。シーズンも38勝97敗1分、勝率・281に終わっている。この数字からも、岩隈の開幕戦白星にどれだけの価値があるかが分かる。(川手 達矢)

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