体操“失敗しない男”萱和磨が種目別あん馬で銅! 同種目では日本17年ぶりのメダル

[ 2021年8月1日 19:20 ]

東京五輪第10日 体操男子種目別あん馬 ( 2021年8月1日    有明体操競技場 )

<体操男子種目別あん馬決勝>銅メダルが決まりガッツポーズを見せる萱(撮影・会津 智海)
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 体操男子種目別あん馬の決勝が行われ、男子団体で金メダルを獲得した日本の主将・萱和磨(24=セントラルスポーツ)が14・900点をマークし、銅メダルを獲得した。日本の同種目メダルは、2004年アテネ大会銅の鹿島丈博以来17年ぶり。ウィットロック(英国)が15・583点で2連覇した。

 主将として日本を団体総合銀に導いた萱が、2個目のメダルを手にした。キング・内村航平(32=ジョイカル)をして「失敗しない」と言わしめた男。自身も「一生ミスしない」と誓い、臨んだ夢舞台だった。

 その原点は5年前の悔しさだ。16年リオ五輪の男子団体総合で日本は金メダル。喜びを分かち合うメンバーの横で、補欠の萱は複雑な気持ちを抱いていた。心から祝福できない自分。「あれから東京五輪に出たい気持ちは1ミリもぶれていない」とこぼしていたように、自分が演技して勝ち取る栄光の意味を誰よりも知った。

 順風満帆な道のりを歩いて、この場所にたどり着いたわけでもなかった。代表を選考を兼ねた5月のNHK杯で五輪切符を勝ち取り、思わず感情の制御を失った。「こんなところで泣いているようじゃ、まだまだ」。涙は人を強くする。今は悔しさと安堵を成長の糧にして手にしたメダルの尊さを、心ゆくまでかみしめているはずだ。

 ◆萱 和磨(かや・かずま)1996年(平8)11月19日生まれ、千葉県出身の24歳。世界選手権は15年に男子団体総合金メダル、あん馬3位。18、19年団体総合3位、19年平行棒3位。16年リオデジャネイロ五輪代表補欠。昨年の全日本選手権初優勝。順大大学院、セントラルスポーツ。1メートル63、53キロ。

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