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これが五輪、世界の壁…男子100メートル散る 山県「納得いかない」10秒15も予選落ち

[ 2021年8月1日 05:30 ]

東京五輪第9日 陸上 ( 2021年7月31日    オリンピックスタジアム )

男子100メートル予選 10秒15の3組4着でゴールし、電光掲示板を見る山県亮太(共同)
Photo By 共同

 男子100メートルで89年ぶり決勝進出の期待がかかった日本勢が、予選で姿を消した。9秒95の日本記録保持者、山県亮太(29=セイコー)は10秒15(追い風0・1メートル)で3組4着。日本選手権優勝の多田修平(25=住友電工)は10秒22(追い風0・2メートル)で1組6着、小池祐貴(26=住友電工)は10秒22(無風)で4組4着だった。1人も準決勝に進めないのは、04年アテネ五輪以来。金メダルを狙う男子400メートルリレーに不安を残した。

 何が悪かったのか。地元の進学校、修道高と慶大を出た秀才・山県でもすぐに答えは見つからなかった。

 「納得いく調整をしたつもりだが、走りは納得いくものではない。原因は時間を置かないと分からない」

 得意のスタートは大舞台でも鋭かった。しかし、中盤から「苦しかった」と周囲の追い上げに遭った。3~5着は写真判定。数秒の沈黙の後、巨大スクリーンに先に出た名前は南アフリカの選手だった。日本記録保持者は、3着から0秒03差の10秒15の4着で、各組3着以内に残れなかった。昼間のように明るい照明がある国立競技場の上空を見上げた。

 各組4着以下で記録がいい選手3人が救われるタイム順にも届かなかった。通過ラインは10秒12だった。「(目標の)10秒0台なら、何の問題もなく通れた」。自分を責めた。

 6月に9秒95をマークした。度重なる故障を乗り越えて出した日本記録だった。困難に打ち勝ったアスリート像が評価され東京五輪の日本選手団主将を依頼された。まじめな性格の持ち主は、「自分が適任なのか。世界で活躍するアスリートは他にもいる」と悩んだ末に、応じた。

 歴代の“顔役”にはジンクスがある。日本選手団主将は、96年アトランタ五輪以降の5大会でメダルを逃した。前回リオ五輪で主将を務めたレスリング吉田沙保里は、4連覇を逃しての銀で、負の歴史の継続を印象付けた。重圧なのか。過去2回の五輪で、いずれも当時の自己記録を出した“ミスター大舞台”の山県でさえも、沈んでしまった。残すは400メートルリレー。このままでは終われない。

 ≪小池悔しい…100分の1秒差10秒22≫小池は100分の1秒差で涙をのんだ。3着の選手は10秒21で、自己記録9秒98の実力者は10秒22の4着だった。「しっかり走れば決勝へ行ける感覚でいた。根本的になんとかしないといけない」。6月の日本選手権の成績で、100メートルと200メートルの代表をつかんだ。しかし、「400メートルリレー重視」で2種目出場を認めない日本陸連の方針に従い、優勝した200メートルを辞退。絞った1種目で悔しい結果になった。

 ≪ロケット不発…多田「力んだ」≫日本選手権を制した多田のロケットスタートは不発だった。自己記録9秒85のベーカー(米国)に先行され「スタートで(他の選手に前に)出られる経験があまりない。それが見えた瞬間に力んでしまった」とリズムに乗れなかった。17年の世界選手権は予選を突破したが、初五輪はなすすべなく1組6着に沈み「良い感じの緊張感で挑めていた。こういう舞台で結果を残すのは難しいと改めて感じた」とうなだれた。

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