原田美枝子 巨匠・黒澤明監督に「どうやったら勝てるの?」と葛藤した過去 今も思い出すアドバイスとは

[ 2022年9月10日 14:59 ]

原田美枝子
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 女優の原田美枝子(63)が9日放送のTBS「A-Studio+」(金曜後11・00)にゲスト出演。巨匠・黒澤明監督との思い出を語った。

 芸能界入りのきっかけは、15歳の時に映画「小さな恋のメロディ」を観たこと。「その世界に憧れちゃって、スクリーンの向こう側に行きたいと思って。その主人公を演じたマーク・レスターという俳優さんを呼んで、その相手役を募集していたんですね。応募して落ちちゃったんですけど、別の方が別の時に拾ってくれて」と回想。

 それから俳優生活は40年を越えた。MCの笑福亭鶴瓶から「全然ブレんと生き抜いてきはったんでは?」と振られると「いやいや、ブレました。たくさんありますよ。昔は尖ってて。20代まではひどかった。すごく嫌われたかったんだと思うんですよ。周りにいる大人が嫌いだったから、ハリネズミみたいな。ちやほやされるのも嫌だし、近寄らないで!って」と人を寄せ付けず、とがりまくっていた時期もあったと苦笑した。

 「一番大きい存在は黒澤明さん」という。1985年の映画「乱」に出演した際「25の時で、すごい怖い女の人の役なんですけど、もうできなくてできなくてねえ。大変でした。でもこれでダメだったら辞めようと思ってたんですよ」と腹をくくって臨んだ作品だったという。

 黒澤監督は「女の人にはあんまり厳しく言わないんですけど、最初に衣装を着て、座るじゃないですか。そうすると“原田くーん、衣装に負けてるよー”って言われたりね。もう冷や汗。どうしようもない。立派なセットに入ると“原田くーん、セットに負けてるよー”って。もう、どうやったら勝てるの?って思って。中のパッションが足りないわけです。黒澤さんは巨大な存在だった。すごいダメ出しはなかったんだけど、毎晩怒られる夢を見ていて。強迫観念があって。黒澤さんによく怒られる夢見るんですよって撮影中に話してたんですけど、撮影終わった時に“もう僕の夢見ないでね”って言われたんです」と懐かしんだ。

 さらに「あのね、私、黒澤さんに“原田君、整形はしちゃダメだよ”って言われたんですよ。年をとったら年をとったなりでいいんだよって。そうしないと、カメラに写せなくなるんだよって言われて。当時は25歳だったからへえって思うくらいで、整形も悪くないかなとかたまに思うこともあるんだけど、黒澤さんの言葉を思い出して、言い聞かせています」と語った。

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2022年9月10日のニュース