「ゴット・タレント」で快挙の日本人マジシャン 人力世界一周の最中 すごすぎ人生にスタジオ仰天

[ 2022年7月3日 12:20 ]

岩崎圭一さんツイッター(@bikeandmagic)から

 今年5月、英国のオーディション番組「ゴット・タレント」で予選から準決勝への一発通過を決める「ゴールデンブザー」を日本人で初めて獲得したマジシャンの岩崎圭一さん(49)が3日放送のフジテレビ「ワイドナショー」(日曜前10・00)にリモート出演した。

 同番組は英国発祥で歌手のスーザン・ボイルらを輩出し、世界中でフランチャイズ化されて人気を誇る。岩崎さんはマジシャンをしながら自転車など人力で世界を一周中。旅の途中で「本家」ともいえる英国の「ブリテンズ・ゴット・タレント」(BGT)に出演し、ゴールデンブザーを獲得した。

 父が経営する群馬・前橋の町工場で働いていたが、28歳で「世界が見たい」と日本を飛び出した。当時の所持金はまさかの160円。「当時、猿岩石さんの『電波少年』に憧れて、47都道府県を1つずつまわっていこうという感じで」と旅がスタート。ヒッチハイクや徒歩で日本を旅し、実家には帰らずに今度は海外へ向かった。

 「たまたま知り合った人が海外に行くチケットをプレゼントしようと言ってくれて、関釜フェリーのチケットをもらったんです」と船で韓国に渡り、仁川から中国・青島へ。青島で自転車を購入し、そこから自転車で陸路を旅しているという。「ベトナム、カンボジア、タイ、マレーシア、シンガポールまで行って、また折り返して、ラオス、ヒマラヤ山脈を越えて…」と途中ではエベレストにも登ったことも。20年間、一度も日本に帰国せずに壮大な旅を続けている。

 イタリアのローマで芸を披露していたところ「テレビ局の人がたまたま通りかかって、イタリア版のゴット・タレントにスカウトされまして。投げ銭で旅を続けたかったのと、もともと手品が趣味だったのもあって。イタリアの番組が評判良かったので、いつか元祖ブリテンで出たいなと思っていました」。また、「自転車でポルトガルまで行って、手こぎボートで大西洋を横断したい」という夢を叶えるため、中古で400万円ほどする手漕ぎボート代も稼ぎたいという思いもあってBGTへの応募を決めたという。

 本番もママチャリで登場。指輪を宙に浮かせる手品などを披露し、それまでの道のりも含めて確実に審査員と観客の心をつかみ、見事ゴールデンブザーを獲得した。「手品自体はけっこうベタなんですけど、想定外にウケまして」と謙そんしながらも手品を披露し、スタジオはすごすぎな人生も含めて仰天しっぱなしだった。

 旅のゴールは「大西洋を横断して、中央アメリカに着く感じです。一番良い季節を狙って海流に乗っていくのが一番良い方法で。乾燥した食料を3カ月分積んで、海水から真水に変える装置も積んでいるので戻して食べます。アメリカ大陸に着いたら、人力で横断して、太平洋側も最終的に人力で渡って日本に戻ろうと思って」と壮大な計画を口にした。

 ひたすらに旅をするモチベーションは「世界を見たいなって。旅行を通じていろんな人にお世話になって恩を感じているので、大道芸で少しでも笑わせていければいいと思っています」と純粋な気持ちから。「ゴット・タレント」で快挙を成し遂げても「船を購入できるような状況になればいいけど、それもあまり他人には(頼らずに)…自分でどうにかやっていきたいと思っています」と語った。

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2022年7月3日のニュース