【前回の鎌倉殿の13人】第25話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「天命悟りし佐殿 震天動地の落馬」

[ 2022年7月3日 08:00 ]

イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第25話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「天命悟りし佐殿 震天動地の落馬」
Photo By スポニチ

 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は3日、第26話が放送される。新進気鋭のイラストレーター・石井道子氏が描く“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)とともに前回の第25話(6月26日)を振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第25話は「天が望んだ男」。身に降りかかる不幸が続き、不安にさいなまれる源頼朝(大泉洋)は阿野全成(新納慎也)に過剰に助言を求めた。一方、頼朝の嫡男・源頼家(金子大地)と比企能員(佐藤二朗)の娘・せつ(山谷花純)の間に長男・一幡が誕生。比企の台頭を危惧するりく(宮沢りえ)は夫・北条時政(坂東彌十郎)を焚きつけ…という展開。

 武蔵の豪族・稲毛重成(村上誠基)が妻に迎えた時政の四女・あき(尾碕真花)が3年前に病死。建久9年(1198年)12月27日、重成が追善の橋を架けた相模川で供養が営まれた。

 頼朝は全成の助言に従って凶兆を避け、縁起を担いで「方違え」をして参列。途中、和田義盛(横田栄司)の別邸に立ち寄り、巴御前(秋元才加)と面会。木曽義仲(青木崇高)討ちを詫びた。

 北条家仏事の恒例行事の丸餅作り。頼朝は喉に餅を詰まらせたものの、吐き出して九死に一生を得た。それは、不器用な北条時連(のちの時房・瀬戸康史)が作ったものだった。命拾いした頼朝は北条義時(小栗)と政子(小池栄子)に「わが源氏は帝をお守りし、武家の棟梁として、この先、百年も二百年も続いていかねばならん。その足掛かりを、頼家がつくる。小四郎、おまえは常に側にいて、頼家を支えてやってくれ。政子、これからは鎌倉殿の母として、頼家を見守ってやってほしい」と託し、自らは「大御所」になると宣言した。

 政子が立ち去ると、義時と2人きり。「小四郎、わしはようやく分かった。人の命は定められたもの。抗ってどうする。甘んじて受け入れようではないか。受け入れた上で、好きに生きる。神仏にすがって、怯えて過ごすのは時の無駄じゃ。神や仏には、聞かせられぬ話だがのう」――。

 頼朝は北条一門の酒宴に加わらず、一足先に鎌倉御所へ。馬上の人となった。林道。安達盛長(野添義弘)が手綱を引く。しみじみと伊豆の頃を振り返る中、頼朝は突然、右手に痺れを覚え、馬から落ちた。盛長は頼朝に駆け寄る。「佐殿!」――。

 今回の“大河絵”は頼朝が伊豆に流罪となった少年時代から仕え続ける愛すべき従者・盛長との絆、鎌倉を揺るがすことになる落馬を表現した。

 ◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画、ウェブマガジン表紙などを手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2021 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2021 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。ライブペインティングや即興似顔絵も各地で行う。

続きを表示

この記事のフォト

2022年7月3日のニュース